News & Career Advice

10.Jul.2025

オーストラリアにおけるAI人材の需要

2025年現在、人工知能(AI)の進化は、世界中の労働市場に大きな変革をもたらし始めています。オーストラリア政府は、AIを社会インフラや産業の中核に据える戦略を進めており、国家AI戦略の一環として、2021年には「AI Action Plan」を発表し、企業・教育機関・行政によるAI導入の推進を明確に打ち出しました(参考:Department of Industry, Science and Resources)。AI導入の目的が「業務効率化」から「新規価値の創出」へとシフトしています。それに伴い、AIスキルを持つ人材への需要が特に2021年以降急増しており、PwC Australiaのレポートによると、AI関連の求人は2012年の約2,000件から2024年には約23,000件へと増加し、AIスキルを持つ職種では平均で56%の給与プレミアムがあると報告されています 。 特に、メルボルン、シドニー、ブリスベン、パースなどの都市では、ビジネスアナリティクス、医療診断、AIトレーニングなどの職種が高い需要を示しています 。 この記事では、オーストラリアのAIスキルの需要を探っていきます。 日本のAIキャリア市場の現状 日本ではAI導入が大企業を中心に進められており、業務効率化や人手不足への対応が主な目的となっています。そのため、AIエンジニアやデータサイエンティストの需要は高まっていますが、導入スピードは比較的緩やかです。 オーストラリアAI求人の成長は鈍化、それでも重要性は増す オーストラリアでは、2012年にはわずか2,000件ほどだったAI関連スキルを求める求人が、2021年には23,000件に急増しました。しかしその後、2021〜2024年はほぼ横ばいに推移しており、成長のペースが鈍化しています。 この背景には、AIスキルが「特別なもの」ではなく、もはや多くの業務で前提スキルとして求められる「共通スキル」になりつつある現実があります。特にホワイトカラーの職種において業務の自動化が進んでおり、一部の業務はすでにAIに置き換えられていることを背景に鈍化している可能性もあります。また、オーストラリア企業がAI人材を求めて海外の労働市場に目を向けるようになっていることも考えられます。実際にオーストラリアでは、行政業務やカスタマーサービス、教育、医療などの分野でAIの導入が進み、従来の業務が再編成されて始めています。 「AIとの関係が最も高い業界では、従業員一人当たりの収益成長率が、最も低い業界(9%)と比較して3倍(27%)高くなりました。」「過去12ヶ月間で、企業におけるAI導入が生産性向上に実際に貢献したという証拠がますます増えてきています。そして、あらゆる業界で、その証拠が次々と現れ続けています。」 一方で上記も報告されており、AIの重要性はさまざまな業界で増していくと考えられます。AIを活用した新たな職種もできる可能性があり、AIプロダクトマネージャー、AI倫理スペシャリストなど、AIと他分野を掛け合わせた職種、それを監視できるマネジャー職が増えるかもしれません。 補足: オーストラリアではAI関連の求人だけではなく、すべての求人において過去10年間「ヘルス・社会福祉関連」「プロフェッショナル」の2つのセクターが多くの割合を占めていました。これは現在でも変わりませんが、両セクターとも求人広告全体に占める割合は近年減少傾向にあり、プロフェッショナル職は2022年から2%ほど求人が減少しています。つまり、AIによる自動化に伴い減少している可能性もあります。一方で、2019〜2024年にかけて最も高い求人伸び率だったのは、一見AIに関係が薄そうな農業・観光業界でした。AIによる自動化や補完により、別の形で仕事が生み出されている可能性があります。 オーストラリアでAIスキルの導入が進む業界 ※AIスキルとは、人工知能(AI)に関連する知識や技術、そしてそれを活用する能力の総称とします。 1. 金融・保険業界(Financial and Insurance Activities) 2021年にAIスキルに関連する求人に占める割合が15.7%と最も高く、2024年も11.8%と高水準を維持。(成長率は鈍化) オーストラリアで最もAIスキル需要の割合が高い業界。 早期からAIを導入し、現在では業界全体にAI人材ニーズが浸透している。 2. 情報通信(Information and Communication) 2023〜2024年で最も急速な成長を示し、AIスキルを求める求人の割合はAI人材に関する求人のうち6.9%に達する。 金融・保険業界に次いで第2位のAIスキル需要業界に浮上。 3. 教育(Education) 2012年から現在までのAIスキル需要の変化 過去(2012〜2020) 2012年:AIスキルを要する求人はわずか約2,000件 2020年:約12,000件にまで成長 2021年:23,000件と急増(前年比ほぼ倍増) 現在(2021〜2024) 求人数は2021年から横ばい(2021〜2024年:23,000件前後) PwCはこの「横ばい現象」を以下のように分析: AIスキルが職務に標準化され、特別な要件でなくなってきた 企業がAI人材を海外からの人材で補っている可能性 生成AIやノーコードツールの普及により、“専門スキル”不要な仕事が増加 未来に向けた展望(2025以降) AIスキルは一部の専門職に留まらず、すべての職種に「共通スキル」として浸透 学歴要件はAI関連職で徐々に低下(例:AIに密接している職種では学位要件が74% → 69%に低下) スキル再構築(reskilling)とAIと共に働く「人間力」の重要性が上昇

07.Jul.2025

日本人が暮らしやすい「オーストラリアの都市ランキング」2025年版【オーストラリア就職#36】

「メルボルンに長年住んでいるので、個人的には一番暮らしやすいと感じている」──そう思っている私たちキャリアマイスターのチームですが、果たして本当にメルボルンがベストなのでしょうか?と、ふと疑問に思いました。 日本人移住者として、仕事・生活・インフラ・環境などを含めて最も暮らしやすい都市はどこか?という視点から、独自調査をもとに「2025年 都市別暮らしやすさランキング(日本人目線)」を作成しました。人材会社目線で、「仕事」に重きを置いた結果になっています。 ※このランキングは、あくまでオーストラリア人ではなく、日本人移住者にとっての住みやすさに焦点を当てています。都市ごとに以下の6つの項目を5点満点で評価し、合計30点満点でランク付けを行いました。 今回の動画では、このランキングを発表していこうと思います。 評価の6項目(各5点満点) ① 生活コスト 家賃や物価はもちろん、通勤距離も考慮。「シティ中心部から約45分圏内に住む」ことを想定し、その周辺の住居費や交通費を基準に比較しています。都市によっては通勤に片道60分かかることもあり、生活の質に大きく影響します。 ② 日本人支援環境 医療(日本語対応病院)、日本語教育機関(バイリンガル校・補習校・日本人学校)、アジアングローサリーの充実度など、日本語環境の有無や日本文化とのつながりのしやすさを評価。 ③ 仕事の得やすさ 日本人が仕事を見つけやすいかどうか。求人の種類や規模、移民に対する雇用文化などを総合的にチェック。 ④ 職種の多様性 仕事の数だけでなく、「どんな仕事があるか」という選択肢の幅も重要視しました。多様な職種がある都市ほど、日本人のキャリア形成にも柔軟性があります。 ⑤ 高収入職へのアクセス オーストラリアで高収入とされる「年収175,000ドル(約1,700万円)」以上のポジションに、日本人がどれだけ就ける可能性があるか。 ⑥ 都市機能と交通・気候 治安や交通の便、行政手続きのしやすさ、そして気候・自然災害(例:山火事、台風、洪水)も含めた“住みやすさの地力”をチェックしました。 オーストラリア各州の州都に、生活都市として人気のゴールドコーストを加えた全9都市を評価しました。 メルボルン(VIC) シドニー(NSW) ブリスベン(QLD) パース(WA) アデレード(SA) キャンベラ(ACT) ホバート(TAS) ダーウィン(NT) ゴールドコースト(QLD) 第8位:ダーウィン(17点) 赤道に近いダーウィンは、東南アジアとほぼ同じ気候。1年を通して暑く湿気があり、四季ではなく「雨季と乾季」に分かれる熱帯気候帯です。 出張で訪れた際の感想を一言で言えば「暑い!」。 生活費は意外と高めで、日本人のサポート環境も乏しく、仕事の選択肢や高収入職のアクセス面でもマイナス評価。加えて、そもそも日本人移民が非常に少ない地域でもあります。 ただし、ダーウィンならではのメリットとしては、天然ガスやマイニング、建設系、アジア向け物流のハブ機能を担う地域でもあり、短期間でしっかり稼ぎたい人にはチャンスもあります。 ちなみに、直接ダーウィンに住む日本人にお話を伺ったことがありますが、「髪を切るために3ヶ月に一度シンガポールへ行く」方もいるみたいです。メルボルンよりも近く、パスポートは必要ですが、週末に「ちょっとシンガポールまで」が可能な距離感のようです。 ダーウィンは「自然と近い暮らし」や「暑さも湿気も平気!」な人にとっては魅力的かもしれません。クロコダイルも近くにいるカントリーライフ、短期間で出稼ぎスタイルで働くにはいいかもしれません。 第7位:ホバート(18点) 南端タスマニア州の州都ホバート。個人的にはもっと上位に来てほしいくらい、自然豊かで空気も水も美味しく、生活のクオリティは最高峰です。 夏でも最高気温が25度程度で、猛暑を避けられる“オーストラリアの避暑地”的存在。 ただし…やはりネックは「仕事」。高収入職の選択肢は限られ、職種の多様性も大都市と比べてかなり限定的。タスマニアに本社を置く企業も少なく、多くはシドニーやメルボルンに拠点を構えています。 ホバートは海鮮も豊富で、林業・漁業・観光に強みを持つ都市。完全リモートで仕事が完結できる人には理想的な移住先です。 北海道の地方都市に近い雰囲気で、オーストラリアの「第二の人生」や「セカンドキャリア」としての暮らしにも向いています。 また、「タスマニアに住んでます」というだけで、人が良さそうな印象を持たれたり、ブランド的な魅力も不思議とある地域です。 補足情報ですが、水がとても冷たく、サーフィンをする方は分厚いウェットスーツ必須! 第6位:ゴールドコースト(19.5点) 観光地としても人気のゴールドコーストは、陽気な気候と美しいビーチが最大の魅力です。1年を通じて温暖で、海や自然が好きな人には理想的な環境。日本にいる多くの皆さんが、オーストラリアと聞いてイメージする最初の場所がこの「ゴールドコースト」です。 生活コストはシドニーやメルボルンに比べると抑えめですが、近年は人気上昇に伴い家賃が高騰気味。観光業関連で働く日本人も多く、日本語医療や教育環境も整備されています。ブリスベン、ケアンズを含むクイーンズランド州の日本人数はメルボルンを超えているため、日本食も豊富で日本人が住みやすい環境が整っています。 仕事面では観光・サービス業がメインです。職種の多様性は限定的で、高収入職の選択肢は少なめ。観光業界に関わる仕事を求める人にはチャンスがありますが、それ以外の分野は限られることもあります。収入に対して、生活費が高くなってしまいやすい傾向があるかもしれません。 ビーチと都市機能のバランスが良い点は見逃せません。気候も温暖で過ごしやすいです。 生活の質と自然の豊かさを重視し、穏やかなライフスタイルを求める日本人に支持される都市です。 第5位:アデレード(19.5点) 南オーストラリア州の州都アデレードは、程よい都市規模と自然のバランスが魅力です。生活コストはオーストラリアの主要都市の中でも比較的リーズナブルで、家賃や物価が抑えられるため、生活の質が高いのが特徴。 日本人コミュニティは大きくないですが、都市機能は整っています。気候は温暖で四季が感じられ、洪水や山火事といった大きな自然災害リスクは比較的低いです。小さい街なので、車で30分圏内でビーチに行けたり、世界レベルのワイナリーへもアクセスできます。 どちらかというと、ゆっくり落ち着いた環境で、教育環境も整った場所で生活したい人におすすめです。職種の多様性はメルボルンやシドニーほど多くないので、アデレードで大学を卒業後に、一旦メルボルンやシドニーで就職をする人がほとんどです。経験を積んでから「戻ってくる場所」として、ゆったりとしたペースで働きたい人に向いている移住先です。 高収入職へのアクセスはやや限られますが、安定した中間層の仕事は豊富です。若者がチャレンジしていく街というよりは、40代前後のプロフェッショナルが活躍できる場所かもしれません。家族連れや子育て環境も整っており、長く暮らすにはバランスの良い都市です。 第4位:キャンベラ(20点)

01.Jul.2025

本日より最低賃金が上がります

本日2025年7月1日より、オーストラリアの最低賃金が正式に引き上げられました。時給は $24.10 → $24.95、週給では $915.90 → $948 に。カジュアル雇用であれば、25%の割増を含めて時給は $31.19 が基準となります。 この3.5%の上昇は、生活費の高騰に対する必要な調整とも言えますが、それと同時に、企業側にとっては「簡単には人を雇えない時代」の加速とも言えます。 人材に求められるものは、ますます「即戦力」や「自走力」となり、そして近い将来、それすらAIが代替する領域も出てきます。 だからこそ、この賃上げを未来の「自分投資」に使うことが将来のキャリアにとっても重要になると考えています。 学びに使ってもいいですし、資格取得にチャレンジしてもいいと思います。そもそもにどんなお仕事も体が資本ですし、身体の健康が心の健康ですので、ジムやフィットネスの自己鍛錬に使うのも有意義だと思います。アルバイトの時間を少しだけ削って、次のキャリアの準備に充てるのもいいですね。 最低賃金が上がることをラッキーで終わらせず、「次のステップに進む後押し」として有効活用することも是非ご検討ください。

25.Jun.2025

ジョブ型採用が加速? ー日豪採用文化の比較から見る“これからの働き方”の本質 ─

まず、オーストラリア就職を目指すみなさんに知っていただきたいのは「採用文化の違い」です。 オーストラリアは「ジョブ型」、日本は「メンバーシップ型」と言われるように、両国では採用文化が異なり、期待されること、採用基準なども異なってきます。一般的に即戦力・経験重視のオーストラリアでは「ジョブ型(ポジション採用)」といって、明確な仕事内容・期待すること・目標が提示され、それに合う人材を採用します。したがって、多くの場合、専門スキルが求められます。報酬や評価も提示内容を基軸にするため非常にシンプルで明瞭な仕組みです。一方で日本で広く採用されている「メンバーシップ型/ポテンシャル採用」とは、長期育成・年功序列・終身雇用・総合職をキーワードに、職種をまたいだ業務を経験し、ゼネラリストを育成、会社にコミットすることを前提とした制度です。これが「新卒一括採用」につながっています。 近年のグローバル化や生産性の低下、時代のニーズとの乖離を背景に、日本でも「ジョブ型」という言葉が大手企業を中心に浸透しつつあるように思います。 この記事では、日本とオーストラリアの採用文化の違いを両国が持つ文化の違いとこれからの時代という観点から見てみました。 「ジョブ型採用」が話題に 最近、日本でも「ジョブ型採用」という言葉を耳にする機会が増えてきました。大手企業を中心に「新卒一括採用」や「総合職」といった従来の枠組みを見直し、ポジションごとにスキルベースで人材を採用する動きが始まっています。 長年根付いてきた「年功序列」や「終身雇用」といった雇用文化が、いよいよ変化の時を迎えているのかもしれません。 ジョブ型採用とは──採用手法ではなく「考え方」の転換 「ジョブ型雇用」とは、職務記述書(Job Description)に基づき、業務の内容や期待される成果を明確に定めたうえで、適切なスキルや経験を持つ人材を採用・評価・配置する仕組みです。 もちろん人柄も無視されるわけではありませんが、より重視されるのは「何ができるか」「どのような経験があるか」「すぐに活躍できるか」といった実務的な観点です。 採用時点で期待される成果や求められるスキルセットが明確なため、評価基準や報酬も非常にわかりやすく、従業員にとってもキャリア設計や給与交渉がしやすくなります。 こうした「即戦力」重視の考え方は、オーストラリアをはじめとした欧米諸国では一般的であり、職務の透明性と評価の公平性を担保する合理的な制度として定着しています。 特にオーストラリアでは、各職種・レベルごとに公的に定められた給与基準が存在し、採用・昇進・評価の全プロセスにおいて一定の透明性が保たれています。 なぜオーストラリアでは「ジョブ型」が当たり前なのか? 契約文化と専門職志向 オーストラリアの労働市場では、すべての採用が「職務内容に基づく契約」によって成り立っています。移民大国であるオーストラリアが、公平に人材を採用するためという背景もあるかもしれませんが、求人票には、業務範囲、責任、必要スキル、必要学位が明確に示され、採用から配属、昇進、評価に至るまでが、職務と成果を軸に構成されています。 また、新卒一括採用や総合職という概念は存在せず、すべての採用はポジションベース。どの職種に、どんな成果を期待して採るのかがはっきりしているため、応募者側も「自分は何ができるか」専門スキルを明確に言語化する必要があります。 採用・評価・報酬のすべてが“職務ベース”で進められるため、雇用の仕組み全体がシンプルかつ合理的に機能しているのです。 キャリアは「自分でデザインする」もの オーストラリアでは、企業が人材を一から育てるという考えはあまりなく、自分のキャリアは自分で設計・構築するという文化です。「できる」や「好き」を伸ばして、専門性を強化していくのが一般的です。 30代、40代になってから大学や専門学校に入り直すことも珍しくなく、キャリアチェンジも広く受け入れられています。 つまり、働き方が“ジョブ型”であると同時に、キャリア観も“自律型”なのです。 日本はなぜ「メンバーシップ型」なのか? 日本では戦後以降、終身雇用で人材を育成し、経済成長を推進してきたと言っても過言ではないかもしれません。 それ以降、日本では「人を採ってから、どこで働くかを決める」メンバーシップ型雇用が主流です。特に新卒採用においては、ポテンシャル採用が中心で、配属先やキャリアパスは入社後に会社が決定することがほとんどです。 異動や転勤を通じてゼネラリストを育てることを目的としており、若手の育成を企業が担うという社会的機能を果たしている一面もあります。 しかし、この仕組みは職務の定義が曖昧で、評価基準も不透明。日本経済を成長させてくれた先人には感謝ですが、特にZ世代のように「タイパ」傾向が強く、「専門性」や「成果」で評価されたい世代にとっては、価値観のズレがあるのも想像に難くありません。 Z世代との親和性──「自分」でキャリアを築く時代 Z世代は「どこで働くか」ではなく、「何をするか」「どう成長するか」を重視します。社会的意義のある仕事、自分らしさが活かせる働き方、生活とのバランス―そんな価値観は、ジョブ型の「成果とキャリアの透明性」と非常に相性が良いのです。 事実、2024年卒・2025年卒見込みを対象にした就活に関する調査では、「配属や職種を確約してほしい」という人が87.3%で「配属ガチャ」との相性は良くないと言えます。就職後すぐに転職検討する人は13.3%にとどまる一方で、3年以内の退職率が34.9%という数字が物語っているようにも見えます。就活の時点で「社会的意義が明確」「仕事内容が明確」「働く場所や仲間が明確」など企業に対する解像度が高く、しっかりマッチングして採用するという意味でも「ジョブ型」が合うのかもしれません。 (この辺の内容については、今回の記事では割愛いたします) ということも追い風になり、少なくとも「ジョブ型」という言葉と新世代の働き方には親和性がありそうです。 「ジョブ型かどうか」よりも、「どう働きたいか」 本当に大切なのは、「働くとは何か」「自分はどんなふうに生きたいか」と自分基点のキャリアデザインを持つことだと思います。 個人が“選ぶ力”を持ち、自分のキャリアに責任を持てるようになること。そして、従業員ではなく、企業と対等なパートナーとして目的や成果を共有できることが大切になります。 それこそが、ジョブ型の先にある本質であり、“これからの働き方”の理想ではないでしょうか。 「企業には、“自分はこう働きたい”と社員の希望が実現できる環境がありますか?」 「あなたは、“なぜこの仕事を選んだのか”言葉にできますか?」 この問いに向き合うことこそが、採用文化の違いを越え、未来を「自分事として選ぶ」第一歩になるかもしれません。 【参考資料一覧】 ・株式会社電通「Z世代就活性まるわかり調査2024」https://www.dentsu.co.jp/news/item-cms/2024009-0415.pdf ・PR TIMES「【Z世代の就活意識調査】学生の約9割は早期離職に慎重、しかし現実は“3年で3割”が離職。Z世代のキャリア観、理想と現実の乖離が明らかに。」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000078.000047449.html Career Meisterでは、皆様のキャリアの成功を全力でサポートいたします! ぜひYouTube動画もご覧いただき、新たなキャリアの可能性を広げてください!🚀✨

27.May.2025

【インタビュー】起業初年度は収入ゼロ。独立を選んで得た「自由」と「責任」|シドニー在住・上條さん【オーストラリア就職#35】

今回は、オーストラリア・シドニーで留学エージェントを経営している上條さんにお話を伺いました。 上條さんは元々教育業界に勤務しており、会社の買収や方向性のズレから独立を決意。起業後の1年間は収入ゼロで苦労も多かったが、時間の自由がきく働き方に大きな魅力を感じていると語ります。日本とオーストラリアの起業手続きの違いや、家族との時間を大切にできるライフスタイルの変化など、リアルな起業ストーリーが語られています。 留学エージェントだから知る「学生ビザ」却下の真相もお伝えします。 動画はこちら▼ 起業のきっかけ 開業資金は? 10年間で大変だったこと オーストラリアと日本の起業プロセスの違い 起業のメリット・デメリット 会社員に戻りたい瞬間は? 起業のきっかけは「価値観のズレ」 楠本:上條さんは、以前シドニーの留学/人材会社に勤務されていましたが、会社の買収をきっかけに退職されていますよね。実は僕(楠本)と上條さんはそれぞれ独立する前に勤めていた会社の同期なんです。 上條:そうですね。会社が買収されて、社員を解雇しなければいけない時に、社員にどんどん「クビ」を宣告する役割を任されたんです。最初はしょうがないかと思っていたんですが、次第に「これ、ちょっとやり方が違うよな」と思って、会社の買収に伴う方向性の違いで、会社を辞めることにしました。 楠本:その際に、独立ではなく転職も検討されました? 上條:考えました。ただ、専門が「進学に特化した留学」だったので、当時はほとんどなかったんです。なので、やってきた経験を活かせるような会社も多くなく、幸いにも「自分でできるのでは?」と思いました。また、家族の都合もあり、シドニーを離れる選択肢は難しかったので、独立を決めました。 最初の1年は「収入ゼロ」、各種改定やコロナも大打撃 上條:人材業のように人材が決まるとすぐに収入を得られるモデルとは違って、留学エージェントは、実際に学生が入学したら学校からコミッションをもらえる仕組みになっています。オーストラリアの大学に正規留学をする場合は、相談があってから実際に渡豪して入学するまで半年から1年かかります。なので、起業して1年間は収入がほぼありませんでした。 出張に行っても、カピセルホテルで1週間を過ごしたり。すごく大変でした。 楠本:その後は割と順調だったようですが、数年前のコロナは「留学」にとって大ダメージでしたよね。 上條:はい。大ダメージです!うちのスタッフを解雇するわけにはいけないですから、幸いにも、オンラインでもすぐに始めたいという学生が割と多かったのは助かりました。ただ、自分自身の分の収入は得られなかったのでバスの消毒をする仕事をしてなんとか持ち堪えました。精神面は鍛えられましたよ。笑 楠本:あれは想定外ですよね。ちなみに学生ビザなどは頻繁にルールが変わりますけど、その辺は留学エージェントとして影響を受けるものですか? 上條:今もちょうど「学生ビザ却下」がホットな話題ですけど、実は結構不明瞭な部分が多くてわからないんです。実は、大学の学校レベルに応じてビザが通りやすいケースもあるんですが、人数制限に達してもプロセスが遅くなるだけで、ビザ自体は発行されることもあったり。この辺は、よくわからないんです。 日本よりオーストラリアの方が「起業プロセスが簡単」 楠本:上條さんは日本でも法人設立を経験されていますが、手続きの面や経営においての両者の違いはあるのでしょうか? 上條:日本は正直びっくりしました。日本はとにかく全てハードコピーと印鑑。オーストラリアにいたので、原本を郵送してもらわないと手続きが進まなかったんです。印鑑も社印や銀行印など、間違っちゃうとやり直しなんです。オーストラリアでの起業と比べて、手続きがアナログで、「あれ、今、2025年?」と錯覚してしまう程でした。こっちでデジタルのプロセスを経験してしまったので、余計にそう感じたかもしれませんね。 税金面の管理に関しても、オーストラリアは本当にシンプルで、所得税とスーパーアニュエーションのみ。これに対して、日本は本当に細かく税金がわかれていて、そういう面で複雑です。 起業の良さは家族と仕事の両立、働き方の自由さ 楠本:サラリーマンを経験されてから独立されてますが、どうですか? 上條:まずは、当たり前ですけど全て自分の責任になりますよね。 楠本:それが故にやるのもやらないのも自分に返ってきますもんね。 上條:ただ、時間はだいぶフレキシブルに使えるようになりました。息子の行事は一回も逃したことがありません。学校で有名でした。誰も親御さんがいない水泳大会も「あいつだけはいる」と。笑 時間がある程度自由に使えるのは、大きな魅力です。 楠本:逆に会社員に戻りたい瞬間はありますか? 上條:いや、語弊はありますが、ある意味与えられたことをやっておけばいいというのは極たまに羨ましくなることがありますね。ただ、会社員には戻りたくないです。 楠本:僕も、もう戻れない体になっていると思います。 未来の起業家へ 楠本:実はCareer Meisterにも起業したいという問い合わせがあるんです。未来の起業家へ向けてメッセージをお願いします。 上條:四六時中が仕事になります。仕事以外でクリアにしないといけないビザなどの条件もありますが、できるのであれば絶対にチャレンジしてほしいですね。可能なら、自分の興味のある分野で起業することをお勧めします。 何かを始めることに不安を感じている方にとって、ヒントになる話が詰まっているかもしれません。 Career Meisterでは、皆様のキャリアの成功を全力でサポートいたします! ぜひYouTube動画もご覧いただき、新たなキャリアの可能性を広げてください!🚀✨

07.May.2025

就活、ネットワーキングイベントを開催しました!

オーストラリアの大学に通う日本人留学生を対象に就活セミナーを開催しました。 【テーマ】「留学生の就職・就活って?」 【内容】 ・日本とオーストラリアの就活の違いとは? ・何でも質問できるQ&Aセッション ・留学生同士のネットワーキング 今回は、はじめて留学生を対象にグローバルキャリアパスメルボルンとのご縁で就活セミナーを開催し、30名以上の学生にお集まりいただき、弊社としても貴重な機会となりました。 海外留学生の就活は、情報取得が難しかったり、スケジュール調整が難しかったり、学業との調整も難しかったり、不安や疑問が多いと思います。 学生同士のネットワーキングや、これまでの就活に関する疑問、日本とオーストラリアの採用文化の違いなど、これから就職を目指すみなさんの支援につながっていければ幸いです。 就活文化の違いを理解し、これからの就活に活かしていただければと願っています。 今後も未来の地球人のお力になれるよう、支援してまいります。 Career Meisterでは、オーストラリアの日本人学生を対象にLinkedIn非公開グループを作りました! 【留学×就活】キャリア&就活コミュニティ〈オーストラリア海外留学生〉|by Career Meister https://www.linkedin.com/groups/14650077/ 情報交換、キャリアアドバイスなどを共有できる場ですので、対象の方はお気軽にLinkedInからリクエストをしてください。 グループ詳細: 🎓オーストラリアで頑張る日本人留学生のためのキャリア&就活コミュニティです。 このコミュニティは、メルボルンを拠点に置くオーストラリア就職専用の人材会社Career Meisterが運営しています。オーストラリアの大学・大学院に通う正規留学生が、キャリアや就活に関する悩みや情報を気軽に相談・共有できる、非公開コミュニティです。これから就職を目指す皆さんの支援につながれば幸いです。 🎯 このコミュニティグループでできること: 🗣 同じ立場の仲間とキャリアの悩みや体験をシェアできる 📚 日本・オーストラリア両方の就活に関する情報 💬 留学生向けセミナー・イベント情報 📝 キャリア相談・Q&A・卒業後の進路についての相談 など 📣運営:Career Meister(メルボルン拠点の人材会社) 日豪間での豊富なキャリア支援経験をもとに定期的にサポート&情報発信を行います。今後は、企業との接点づくりやOB/OGとのつながりも予定しています。 👥 ご参加にあたってのお願い: 安心して交流できるよう、お互いに敬意を持って接しましょう ライバルであり、仲間である、みんなで温かいコミュニティにして行きましょう オーストラリアでの就職を本気で考えている方へ! 「日本就職も考えているけれど、オーストラリアでのキャリアの可能性も知りたい…」そんな方は、ぜひCAREER MEISTERまでお気軽にご相談ください!📩

06.May.2025

【オーストラリア就職#34】ChatGPTで作る!英文履歴書のカスタマイズ実践編【転職回数が多い方・総合職向けTipsあり】

こんにちは!今回は、「ChatGPTを活用して英文履歴書(レジュメ)を特定の求人に合わせてカスタマイズする方法」をご紹介する【実践編】です。 前編では、自分の経験をまとめた“ベースとなる英文レジュメ”を作成しましたが、今回は応募する求人に合わせたカスタマイズのコツを、実際の求人情報を使いながら詳しく解説していきます。総合職での経験や転職経験が多い方の履歴書の書き方についても触れていますので、参考にしてください。 前編:【オーストラリア就職#33】英語が苦手でも大丈夫!ChatGPTで英文履歴書を作成する方法 動画で見たい方はこちら▼   ステップ1:求人情報(ジョブディスクリプション)を読み込ませる まずは応募したいポジションの仕事内容・求められるスキル・経験などをコピー&ペーストでChatGPTに読み込ませます。 例として、今回は「Operations and Administration Coordinator」の募集を使いました。 ステップ2:ChatGPTにカスタマイズを依頼 ベースとなる英文履歴書(前回作成済)を用意し、ChatGPTに以下のような指示をします: 「このジョブディスクリプションに合うように、以下の履歴書を調整してください。」 すると、ChatGPTが求人にマッチした内容に自動的に編集してくれます。 これだけで完成です! ですが、以下の注意点とTipを参考に必ず内容を確認してから応募するようにしましょう。 ChatGPT利用時の注意点 ChatGPTは便利ですが、時には事実と異なる情報や情報を追加してしまうことがあります。 例えば: 実際には経験していないツールの使用歴 担当していないプロジェクトのリード経験 こうした点は必ず自分の目でチェックし、納得できる内容に調整しましょう。 応用Tips:転職回数が多い人の履歴書の書き方 転職が多いと「一貫性がない」と見られてしまうこともありますが、以下の工夫で印象を改善できます。 ・応募ポジションにあった職歴のみを記載 オフィスでの仕事に応募する際には、飲食店でのキッチン経験などは記載しなくて構いません。 ワーキングホリデーの方は、ファームでの経験なども応募するポジションに直接関係のない場合は、記載しなくてOKです。 それによって経歴に「キャリアブレイク期間」が発生する場合は、面接で聞かれた際に答えられるように準備しておくのが安心です。 ・古すぎる経歴は記載しなくてもOK 例えば、1990年代の職務経験については、特記がない限り書かなくても支障はありません。仮に、経歴が新卒時から一貫している場合など、長期間に亘り同じ職務を経験されている方は「その分野のプロフェッショナル」なので、記載してアピールしましょう。 応用Tips:同じ会社で色々経験した「総合職」の職歴の書き方 総合職などで1社に長く勤めている場合、職務内容が多岐に渡っていることが多いですよね。オーストラリアでは、経験重視なので職歴が重要視され、スキル=職業の構図が根強いため、ジェネラリストが裏目に出てしまう懸念もあります。何かに特化したスキルがあるように見せる書き方でレジュメをカスタマイズしてみるのがおすすめです。もちろん、ジェネラリストが求められる場合には、さまざまな経験を盛り込んで仕上げてください。 応募ポジションに合わせたレジュメを複数パターン作成 例えば、数年ごとに異動で人事、営業、ビジネスデベロップメントなどさまざまな分野を経験された方は、応募するポジションに合わせ、「人事」「営業」「ビジネスデベロップメント」それぞれのレジュメを作成しておくと便利です。 ChatGPTは“アシスタント”として使おう ChatGPTは素晴らしい“アシスタント”ですが、完璧ではありません。 仕上がった履歴書があなた自身の言葉で語れる内容か?を意識して、最終チェックは必ず自分で行いましょう。 まとめ:履歴書カスタマイズの流れ ベースとなる英文履歴書を作成(前回の動画:オーストラリア就職#34をご覧ください) ジョブディスクリプションをChatGPTに渡す 修正依頼 内容をチェック&微調整 応募書類として完成! Career Meisterでは、皆様のキャリアの成功を全力でサポートいたします! ぜひYouTube動画もご覧いただき、新たなキャリアの可能性を広げてください!🚀✨

18.Apr.2025

【オーストラリア就職#33】英語が苦手でも大丈夫!ChatGPTで英文履歴書を作成する方法

海外で働きたい。でもその第一歩でつまずいてしまう…「英文履歴書(レジュメ)ってどう書けばいいの?」 こんな不安、ありませんか? 英語が苦手で、履歴書をどう表現すればいいのかわからない 日本での職務経歴をうまくアピールできない気がする 海外の履歴書の形式やマナーがよくわからない これは、オーストラリアを含む海外での就職や転職を考える多くの人の最初の壁です。 でも、今はAIツール「ChatGPT」があなたの強力な味方になります。 この記事/YouTube動画では、英語が得意でなくても、ChatGPTを活用してプロフェッショナルな英文履歴書を簡単に作成できる方法を、ステップ形式でわかりやすく紹介していきます。 動画で見たい方はこちら▼ ChatGPTとは?なぜ英文履歴書に使えるの? ChatGPTは、OpenAIが開発した最先端のAIチャットアシスタントです。あなたが入力した質問や文章に対して、非常に自然な言語で返答してくれるため、文章の添削や翻訳、資料作成などに広く活用されています。 英文履歴書の作成においても、ChatGPTは大活躍します! なぜなら… あなたが日本語でまとめた経歴やスキルを、自然で洗練された英語に翻訳 アメリカ英語ではなく、オーストラリア英語にしてくれる(要指定) 英文履歴書でよく使われるフォーマルなトーンで整えてくれる 形式もオーストラリア仕様に自動で調整 つまり、プロのネイティブに依頼したようなクオリティの履歴書が、無料で、しかも短時間で完成してしまうんです。 実際にやってみよう!ChatGPTで英文履歴書を作る5ステップ ステップ1:まずは日本語で職歴・スキルを整理する まずは、あなた自身の経験を丁寧に棚卸ししてみましょう。 これまでの職歴(会社名・職種・期間) 担当していた業務内容や実績 スキル 学歴・資格 上記をまとめた日本語の履歴書や職務経歴書を準備してください。 ステップ2:作成した日本語履歴書をChatGPTに読み込ませる 次に、先ほど作成した内容をChatGPTに入力します。ChatGPTに履歴書の内容を貼り付けるか、WordやPDFファイルをドキュメント添付で読み込ませましょう。 ステップ3:日本語から英文の履歴書に書き換えていきます ここからが本番!ChatGPTに以下のように依頼します: 「以下の日本語の履歴書を基に、洗練されたオーストラリア英語でプロフェッショナルなレジュメを作成してください。オーストラリアでの就職活動用です。オーストラリア仕様にしてください。」 このような内容の一言を入れることで、ChatGPTは次のような配慮をして英文を出力してくれます: 英単語や表現がオーストラリア英語に準拠 顔写真・年齢・性別・国籍などは省略 最新の職務から上に記載される「逆時系列形式」 「私は〜を担当しました」ではなく「成果ベースの表現」 もし、少し堅すぎる表現になったと感じたら、 「もう少しカジュアルにしてください」「応募先は日系企業です。少し柔らかめにしてください」 などのリクエストも可能です。希望に合わせておねがいしてみましょう。 ステップ4:内容を確認・修正 ChatGPTが出力した内容は、あくまで「たたき台」。あなたの意図や実績が正しく反映されているか、必ず確認しましょう。 特に見ておくべき点は: 数字や成果に間違いがないか アピールしたいスキルがちゃんと含まれているか 英語のニュアンスが自分のイメージとずれていないか 修正が必要な場合は、文章の一部を再度ChatGPTに依頼し直せばOKです。 ステップ5:フォーマットを整えて完成! 文章が完成したら、WordやGoogle Docs、Canvaなどのツールを使って見た目を整えていきます。 フォントは読みやすいもの(ArialやCalibri) セクションごとに余白や見出しをつけて 1〜2ページ以内にまとめるのが基本 もし可能なら、ネイティブの友人などに見てもらうのもおすすめです。 英文履歴書の構成と各項目のポイント オーストラリアの履歴書における基本構成を確認しましょう。

14.Apr.2025

🏢 ハイブリッド勤務は「安定期」へ 〜 豪州企業の最新動向(AHRIレポートより)

オーストラリア人事協会(AHRI)の最新レポートによると、オーストラリア企業における出社義務の強化はむしろ減少傾向にあり、ハイブリッド勤務制度は「縮小」ではなく「定着」のフェーズに入ったことが明らかになりました。 🔹 ハイブリッド勤務は今や標準的な働き方2025年時点で、従業員に週3〜5日の出社を求める企業は44%と、昨年の48%から減少。最も一般的な勤務形態は「週3日の出社」で、これも2023年から変わっていません。 🔹 企業の7割が今の体制を維持予定今後2年間にわたり、現在のハイブリッドモデルを維持する予定の企業は70%(2023年は59%)。フレキシブルな働き方は、優秀な人材の確保と定着のための戦略の一部として定着しています。 🔹 柔軟な働き方の多様化も進行中 パートタイム制度(92%) キャリアブレイクや社内異動(49%) ジョブシェア(34%) 圧縮勤務(58%、前年から13ポイント増) 今後さらに18%の企業が圧縮勤務制度の導入を予定しています。 ちなみにCAREER MEISTERでは、出社義務は設けておらず、各チーム、各人の判断に委ねるスタイルを採用しています。信頼をベースに、オフィス勤務・在宅勤務問わず、柔軟なスケジューリングを実現しています。 ハイブリッド勤務は一時的なブームではなく、企業文化の一部として根付きつつあります。社員の信頼と柔軟性を基盤にした働き方が、いま求められる「強く、しなやかな組織」を形作っていくのかもしれません。   【参考文献】 Australian HR Institute. (2025). Hybrid and Flexible Working Practices in Australian Workplaces in 2025: https://www.ahri.com.au/wp-content/uploads/Hybrid-and-Flexible-Working-Report-2025.pdf

29.Mar.2025

【オーストラリア就職#32】新卒から現地マーケターへ

海外留学からオーストラリア就職!現地マーケターへ 今回の動画は、オーストラリアのニューサウスウェールズ大学(UNSW)でインフォメーションシステムを学び、現在シドニーでマーケティングの仕事をしている福田さんにお話を伺います。新卒で現地の企業に就職したということで、現地の就活や仕事について聞きました! 海外留学を目標を高校は国際バカロレアコースへ 大学と専攻選び 新卒での仕事探し 実は1回解雇されました 現地での就活アドバイスとメッセージ 海外大学へ進学の決断 楠本:留学を考えたきっかけはなんだったんですか? 福田:兄が上海に留学していた影響で、自然と海外に興味を持ちました。小学生の頃から漠然と海外に憧れがあって、ハリーポッターを見てオックスフォード大学に行きたい!と思っていたんです(笑)。 楠本:高校は国際バカロレア(IB)コースを選んだんですよね? 福田:そうです。最初から海外大学進学を視野に入れていたので都立国際高校のIBコースに入りました。IBは、海外の大学に出願しやすいカリキュラム、国際的に通用するプログラムになっていて、授業も全て英語です。2年間の最終スコアで海外のどこの大学にも出願できる仕組みになっています。もともと英語が得意だったわけではないので、最初はすごく大変でした。周りには帰国子女も多く、入学してすぐのTOEICで満点を取る人が全校の10%程いました。 楠本:最終的にニューサウスウェールズ大学(UNSW)を選んだ理由は? 福田:最初はイギリスの大学など「ザ・海外」のようなイメージで考えていたのですが、高校2年生頃からはアジア圏やオーストラリアにも視野を向け始めました。シンガポール国立大学も考えていたんですが、IBのスコアが少し足りなかったんです。それでオーストラリアの大学を調べたところ、UNSWはIT系の分野に強く、ITとビジネスをつなぐインフォメーションシステムという専攻も、自分に合っていると感じたのでUNSWに決めました。専攻をITに決めたのは、父親がIT系の会社をやっていたからです。影響受けてますね(笑)。 楠本:ちなみに都立国際高校でIBコースを卒業した皆さんは、卒業後どのような進路に進んでいるのですか? 福田:全校ではなく、1学年につき20名程度がIBコースなんです。IBコースと別のコースで高校入学時の入試は別々に実施されているんです。卒業後は、約7割が海外の大学に進学しています。センター試験を受けて、日本の大学に進学する人もいました。IBスコアを利用した日本の大学への進学は、逆に難しかったような記憶があります。IB自体が新しいコンセプトなので、IBでの進学を導入している大学がそもそも少なかったり、結構高い点数がないと進学できなかったように思います。当時は、学部にもよりますが、例えばUNSWはIB45点満点中31点程度、オックスフォード大学だと43点とかで進学できる仕組みになっています。 オーストラリアでの就職活動 楠本:卒業後は日本で就職する予定だったとか? 福田:はい。最初は3年間の留学が終わったら日本での就職を考えていて、帰国生向けの就職サービスにも登録していました。でも、当時のパートナーに「なんでこっちで仕事を探さないの?」と言われて、確かに挑戦してみる価値はあるなと思いました。ちょうど卒業生ビザが2年間降りますし、それを使わないのはもったいなと思ってオーストラリアで働いてみようと決めました。 楠本:オーストラリアで新卒で仕事を見つけるっていうのはいかがでしたか?オーストラリアは留学生だけじゃなくて、現地の人にとっても新卒市場はすごく厳しいですよね。経験がないという理由で非常に難しいです。例えば、仮に福田さんが日本で新卒の就活をする場合と、オーストラリアで現地の仕事を探す場合は、選択肢が本当に変わってくると思うんです。なので、新卒は日本で就職する方が、やりたい仕事に就ける可能性が高いというのが自論なんですが、いかがでしたか? 福田:そうですね。オーストラリアでは即戦力が求められるので、実務経験がないと仕事を得るのが難しいんです。だから、学生だしまずはインターンから始めようと思いました。 楠本:どうやってインターンを探しましたか? 福田:当時は日本食レストランでバイトをしていたんですが、キャリアに直結しないので、キャリアにつながる仕事をしようを思いました。現地だとやっぱり競争率が高いので、JAMSという日本人向けの求人サイトを毎日チェックし、1ヶ月くらいずっと探して、とにかくメールしまくりました。大学のサークルでSNSマーケティングをしていた経験があって、それが楽しいなと思っていた時期だったので、インフォメーションシステム系ではなく、マーケティングで仕事探しを始めました。そしたらJAMSにKOKOSという留学エージェントのマーケティングインターンを見つけたので応募しました。「一度でも良いから会ってください!」ってメールしました。 楠本:専攻と違う仕事を掴むのは、どうでしたか? 福田:マーケティングのジュニアは仕事をしながら学べる内容が多いです。結構雑用的な部分も多いので、情熱でカバーできる。例えば、エンジニアとかプログラミングとかテック系は知識がないとできないですが、マーケティングは入りやすいのではと思います。インフォメーションシステムの場合は、ITコンサルなどが進路先としてありますが、仕事内容を見るとあまり興味が持てなくて、インターンはマーケティングにしようと決めました。 インターンではWebサイトの更新とか、大したことはやってないんですが、こういうことをするんだっていうのがわかるので、それをそのまま経験として就活に活かしました。 オーストラリアはやっぱり経験が重視されるので、レジュメに何が書けるかが勝負。自分が応募する職と関連がある実績をレジュメに書けるかどうかで勝負が決まる。なので、マーケティング職であれば、フォロワーを何%増やしたとか、このマーケティング戦略でこういう結果を得たとか書けるようにするのが重要ですよね。 大したことやってないって自分で思っていても思っちゃだめなんです。仕事探しにおいては日本人の謙虚さを捨てる方がいいかなと思います。 初めての仕事と海外でのマーケターのキャリア 楠本:KOKOS(留学エージェント)のインターン経験を経て就職活動はトントン拍子に決まりました? 福田:いや、最初のうちは全然ダメで。ネットワーキングが大事だと感じました。SeekやLinkedInで応募するだけでなく、サークルのつながりを活用して、IT系企業にアプローチしました。結局そこで受からなくても、その経験を何度か繰り返してやっていきました。 楠本:それが最初のフルタイムの仕事ですか? 福田:最初はアメリカに本社を置くソフトウェアの会社です。LinkedInで求人広告を見つけて応募しました。Japaneseをキーワードに探しました。LinkedInはリクルーターに直接メッセージを送ることができて、メッセージをした2日後に面接、翌日には採用が決まりました。そのポジションは、日本語のコンテンツの翻訳とか、日本語版のウェブサイトを作るとか、日本のエージェントとの間を取り持つような仕事でした。6ヶ月のインターンを経て、正社員にしてもらったんです。 楠本:パフォーマンスが認められたんですね!そこでずっと働いていたわけではなく転職されているんですね。 福田:実はその会社は2年でレイオフ(解雇)されました。当時、IT関連の会社はコロナ禍に一気に業績が伸びた影響で、過剰に人材を採用していたんです。コロナが終わるにつれてその問題が顕在化してきて、当時働いていた会社ではグローバルで10%、APACで25%が解雇されました。 楠本:その当時の心境はいかがでしたか?IT系やファイナンス系は解雇が多いですもんね。 福田:1週間くらい泣いてました。チームが好きだったので、そのチームで働けないことが悲しかった。でも、仕事もないし、しょうがないのでLinkedInでまた仕事を探し始めました。私を含め、IT業界にいる人は、解雇される可能性があることをわかって働いています。今はそれを乗り越えて、鋼のメンタルです(笑)。自分のゴールからの逆算思考も身についたかもしれませんね。 楠本:今の目標はありますか? 福田:今、私がやっているマーケティングは結構セールスに近いマーケティングで、リードを獲得してそれを営業に回す。そういう今やっていることを高いクオリティーでできるようになるというのが直近の目標です。将来的にはAPACを管轄するマーケターになりたいです。 オーストラリアで働きたい人へのアドバイス 楠本:将来的には起業も視野に入れたり、やりたいことが山ほどある中で、あの時こうしておけばというようなポイントやアドバイスはありますか? 福田:まずは、大学在学中からネットワークを作っておく。そして、自分が将来何をしたいかを明確にしておく。こういう仕事に就きたいなというのがあるなら、それをしている人に話を聞きにいく。 楠本:もっとアクションを早くしておけば良かったなってことですね。 福田:こんな私に時間を割いてくれないんじゃないかって、当時は話を聞きに行くことに怯えていました。でも、実際には話を聞きたいと思ってくれるのは嬉しいじゃないですか。学生の頃はそれをわかっていなかったので。話を聞いて、これは私に向いていないなと思うかもしれないし、気になったら具体的に聞いてみてもいいと思います。 楠本:今はLinkedInでメッセージも送れちゃう時代ですしね。 福田:LinkedInを使うことで、不可能と思っていたことも何かしらの方法があるんだなと実感しています。 楠本:要は行動して、色々実際に話も聞いてみて、なりたい自分をよりもっと具体的に想像を膨らますということですね。 福田:あとは、やっぱり英語ですね。今の自分の日本語力くらい英語を高めることができれば何も怖くない。本当に海外で働きたいとか留学したいっていう想いがある人は絶対それは叶う!自分には無理って絶対に思わないでほしい。 楠本:貴重なお話、ありがとうございました!オーストラリア就職を目指す人にとって参考になる内容でした。 Career Meisterでは、皆様のキャリアの成功を全力でサポートいたします! ぜひYouTube動画もご覧いただき、新たなキャリアの可能性を広げてください!🚀✨  

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