Payday Superとは何か、何が変わるのか

2026年7月、Superの支払いルールが大きく変わります

2026年7月1日から、オーストラリアのSuperannuation制度に大きな変更が入ります。

その名前は、Payday Super。

オーストラリアで働いている方、これから働く方、そして人を雇用している企業にとって、知っておくべき重要な制度変更です。

一見すると、「Superの支払いタイミングが変わるだけ」と思われるかもしれません。

しかし実際には、給与計算、キャッシュフロー、従業員情報の管理、会計士や給与ソフトとの連携など、企業の実務にも大きく関わる変更です。

また、従業員にとっても、自分のSuperがより早く、より見えやすく積み立てられるようになるという意味で、決して他人事ではありません。

今回はまず、Payday Superとは何か、そして2026年7月から何が変わるのかを整理してみたいと思います。

これまでのSuperの仕組み

現在のルールでは、雇用主は従業員のSuperannuation Guarantee、いわゆるSGを、少なくとも四半期に1回支払う義務があります。

給与は毎週、隔週、または毎月支払われていても、Superについては3ヶ月に1回まとめて支払えばよい。

これが、これまで多くの企業で行われてきた一般的な運用でした。

もちろん、Superは従業員の将来の退職資金であり、雇用主にとっては法律上の義務です。

ただ、実務上は、給与とSuperの支払いタイミングが必ずしも一致していなかったため、給与は給与、Superは四半期ごと、という形で管理されていた会社も多かったと思います。

この「四半期ごとにまとめて支払う」という仕組みが、2026年7月から大きく変わります。

2026年7月から何が変わるのか

Payday Super導入後は、給与を支払うたびに、Superも支払う必要があります。

週払いの会社であれば、Superも週ごとに。

隔週払いであれば、Superも隔週で。

月払いであれば、Superも月ごとに。

つまり、給与とSuperが、同じリズムで動くようになります。

ここで特に大切なのは、単に「会社が支払い手続きをすればよい」という話ではないことです。

原則として、給与支払日から7営業日以内に、従業員の指定するSuper Fundへ資金が届いている必要があります。

会社が送金した日ではなく、Super Fund側に着金した日が基準になります。

これは、実務上かなり重要なポイントです。

たとえば、会社側では支払い処理を済ませたつもりでも、Clearing Houseや銀行処理、システム上のエラー、従業員情報の不備などによってSuper Fundへの着金が遅れれば、期限に間に合わない可能性があります。

そのため、Payday Super導入後は、これまで以上に早く、正確な給与・Super処理が求められます。

企業にとって何が変わるのか

企業にとって一番大きな変化は、Superを「後でまとめて処理するもの」として扱えなくなることです。

これまでは、給与を支払った後、Superは四半期末にまとめて確認し、支払うという運用が可能でした。

しかし今後は、給与を支払うたびにSuperの資金も動くため、キャッシュフローの考え方を変える必要があります。

長期的に見れば、支払うSuperの総額が大きく変わるわけではありません。

しかし、資金が出ていくタイミングは明らかに早くなります。

これは特に、中小企業や小規模な現地法人にとって大きなポイントです。

また、給与ソフトがPayday Superに対応するのか、会計士やBookkeeperとの連携は問題ないのか、従業員のSuper Fund情報は正しく管理されているのか、といった実務面の確認も必要になります。

なお、これまでATOが運営していたSmall Business Superannuation Clearing House、いわゆるSBSCHは、2026年7月1日をもって廃止される予定です。

現在SBSCHを利用している企業は、別の支払い方法を準備する必要があります。

「今まで通りで大丈夫」と思っていると、2026年7月以降、思わぬところで実務が止まる可能性があります。

その意味でも、早めの確認が必要です。

従業員にとって何が変わるのか

従業員にとって、Payday Superは基本的には良い変更です。

自分のSuperが、より早く、より頻繁に積み立てられるようになるからです。

Superは今すぐ手元に入るお金ではありません。

そのため、特に若い方やオーストラリアで働き始めたばかりの方にとっては、給与ほど実感を持ちにくいかもしれません。

しかし、Superはオーストラリアで働く人にとって、将来の大切な資産です。

給与とSuperの支払いタイミングが近づくことで、「給与は振り込まれているのに、Superが入っていない」という状況にも気づきやすくなります。

つまり、従業員側から見ても、自分の退職資金がきちんと積み立てられているかを確認しやすくなるということです。

これは、働く人にとって大きなメリットだと思います。

要するに、Payday Superとは何か

Payday Superとは、Superの支払いを、給与支払いのタイミングに近づける制度変更です。

これまでのように、Superを四半期ごとにまとめて支払うのではなく、給与を支払うたびにSuperも処理する。

そして、原則として給与支払日から7営業日以内に、従業員のSuper Fundへ資金が届いている必要がある。

これが、2026年7月から始まる大きな変更です。

従業員にとっては、自分のSuperがより早く、より透明に積み立てられるようになる変更です。

一方で、企業にとっては、給与計算、キャッシュフロー、Superの支払い方法、従業員情報の管理を見直す必要がある、かなり実務的な変更でもあります。

 

2026年7月はもう間もなくやってきます。

給与ソフトの確認、会計士との相談、社内フローの見直し、従業員情報の整理を考えると、今から行動しても決して早過ぎることはありません。

 

Payday Superは、オーストラリアで働く人と、人を雇う企業の双方に関わる重要な制度変更です。

 

まずは、自分の会社ではSuperをどのように支払っているのか。

給与ソフトや会計士との連携は問題ないのか。

従業員側であれば、自分のSuperがどのFundに入っているのか、正しく確認できているのか。

 

こうした基本的なところから、少しずつ確認していくことが大切です。


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