News & Career Advice

01.Oct.2024

オーストラリアの働き方ー出社義務化とハイブリッド勤務の行方ー

2024年初頭から、オーストラリアではポストコロナ時代の雇用状況の変化により、在宅勤務と出社勤務を巡る議論が活発化しています。出社と在宅勤務を織り交ぜた「ハイブリッド勤務」が定着したものの、企業と従業員の間で働き方の最適なバランスを巡る対立が表面化しています。労働法、企業方針、従業員の希望など複合的な背景から今まさにポストコロナの働き方が過渡期にあるように感じます。 世代別の出社傾向と地域差 興味深いことにオーストラリアでは、特にZ世代(1996~2010年生まれ)の従業員が他の世代に比べて出社率が高いということが調査によりわかっています。キャリアの初期段階にあり、ネットワーキングや学びのために出社を強要されている可能性もあるかもしれません。また、ニューサウスウェールズ州では公務員の出社推進が決まったのに対し、ヴィクトリア州政府は依然として在宅勤務を維持しています。 労働市場の変化と雇用主の動き オーストラリアの労働市場は、パンデミック直後の人材不足から一転し、市場の特徴として経済回復、移民増加による労働人口の増加、失業率の低下が挙げられます。したがって、雇用主優位の市場傾向(買い手市場)が強まっているのが現状です。企業は生産性向上を目的に出社を促しており、ANZ銀行やサンコープ、オリジン・エナジーなどの企業が、従業員に対して出社日数を増やすことを業績評価や報酬に関連付ける新しい取り組みを進めています。出社率が増加することで、メルボルンCBDなどでの活気や経済回復も期待されています。 雇用主と従業員の対立 先日、フェアワークでは民間企業の事務職を対象とする「クラークス・アワード」に在宅勤務に関する条項を導入する方針を発表しました。労働者としては、在宅勤務を重要な福利厚生として位置付けており、これが決定されると在宅勤務の選択肢が認められます。一方で、ロバート・ハーフの調査によれば、出社義務を導入した企業の31%で少なくとも1人の従業員が退職していると報告しています。出社義務化には一定の反発があり、買い手市場の中、「人材確保」の面からも従業員の要望とのバランスを取っていく必要があります。 AIの発展により業務効率化が進む一方で、企業は生産性向上と賃金のバランス、そして柔軟な働き方をどう取り入れるかが課題になります。「やることをしっかりやってればいい!」というオーストラリアらしい働き方が変化していきそうな予感です。この過渡期を乗り切るために、従業員は仕事へのコミットメントがより一層重要になり、企業側も従業員のニーズに柔軟に対応することが鍵となりそうです。 参考:The Daily NNA豪州&オセアニア版(Australia & Oceania Edition)

11.Sep.2024

【留学・海外就職を目指す方】質問に答えます!第二弾

皆さん、こんにちは。今回は前回の続きで「大学生からの質問に回答」第2弾です⭐️ 今回は大学生から頂いたご質問に楠本がお答えいたします!大学時代バックパッカーを経て、ニュージーランドへの留学も経験している海外留学、海外起業の大先輩が英語に関すること、海外で起業するということ、仕事のやりがい、なぜメルボルンのなのか?など仕事、留学、海外に関するご質問に回答していきます。ぜひ最後までお付き合いください。 🎩オーストラリアで人材紹介へ転職しようと思った理由 ー 海外でチャレンジしたい欲が爆発 NZ留学帰国後に入社した語学学校の運営・⽣徒獲得の営業から最終的には当時の会⻑秘書も経験し、仕事⾃体は充実していました。しかし、20代最後という節⽬でどうしても海外就職にチャレンジしたいという気持ちが抑え切れなくなりつつあったタイミングだったので、会社を辞める決断をし、転職活動をしていました。  転職は人材会社に絞っていたのではなく、職務経験から「営業」が自分の武器ということを自覚し、その武器で海外チャレンジできる仕事を探していたところ、たまたま「人材営業」と「支店の運営」いう自身の経験を最大限に活かせるポジションでオーストラリアの会社に採用してもらったことで、人材ビジネスに携わり始めたというのがきっかけです。  結果的に人材ビジネスはものすごく自分の性に合っていたということですね。  また、転職活動の際に留学を経験したNZを含めたオセアニア地域が第⼀希望でしたが、今振り返っても、オーストラリア、それもメルボルンに決まったのはもの凄く運が良かったと思います。   🎩働き方で日本と違うところ ー 日本は「野球」スタイル、オーストラリアは「サッカー」スタイルですね 2007年に日本を離れてしまい、その後は日本の働き方も大きく変わったと思いますので、今の状況についてはあまり把握していません。しかし、その当時の日本の働き方と比べるとオーストラリアの働き方は全く違いました。  日本で働いていた頃は終業時間後に本社でミーティングをやるということで、当時は甲府に勤めていましたが、21時過ぎに甲府から本社(東京・大崎)に向かい、23時頃に着いてからミーティングを1時間ほどやるといったことも何度もありました(当然帰れません)。  当時勤めていた会社だけではなく、どの会社も労働に対するルールが無茶苦茶だった部分が大小問わず色々とあった時代です。  一方で、豪州は個々人の権利や生活が非常に守られています。従業員と雇用主が平等か、従業員の方がより保護されているという労働環境のため、会社に属して働く環境としては非常に快適です。  また、勤務時間が9−17時ということであれば、時間が決まっているサッカーやバスケの試合のようにこの時間内に全力で仕事を終えて、延長戦は一切なしで帰ります。  万が一、どうしても終わらない仕事がある場合も「延長は60分のみ」みたいな、これまたサッカーの延長戦のように時間を決めて猛烈にやり、再延長はありません。  但し、この場合は延長60分で終わる程度の仕上げで仕事を終えてしまいます。そういう働き方なので、日本のように終わるまではズルズルやりますといった働き方はあまり歓迎されません。  日本は試合が終わるまでは時間無制限でやる「野球」スタイルが馴染んでいますが、豪州を含め、欧米は時間内で決着をつける「サッカー」スタイルですね。  🎩なぜオーストラリアなのか? ー オーストラリアでのライフスタイルが気に入っているから 今の活動拠点がオーストラリアなのは、純粋にオーストラリア(特にメルボルン)での生活が非常に気に入っているからですね。同時に行きたい所、住んでみたいところは沢山あるので、自分の会社の経営を維持しつつ(何しろそこが収入源ですので)、色々と世界各地に行ったり、住んでみたいとは今でも思っています。  バックパッカーは予算の都合で物価の安いアジアが中心になりましたが、社会人になってからはヨーロッパや北米にも長期で遊びに行ってますし、今は特にアジアに拘っていることはありません。  ただ、オーストラリアから近いということもあって、サーフィン旅行でインドネシアのバリ島は年に2回は行ってました。 🎩オーストラリアという海外で仕事をするやりがいは? ー オーストラリアで日本人が活躍できる場所を創出したい! 海外で仕事(特に日本と関わる仕事)を何年かしていると、気持ちの何処かに日本を代表して頑張っているという気持ちが芽生えます。特に私の仕事は豪州在住の日本人へ仕事を紹介したり、在豪の日系企業へ適切な人材を紹介するというサービスを提供していますので、直接的には日本人の雇用機会を創出し、間接的にも日系企業の海外進出とそこでの事業強化のサポートをしているという自負があります。  また、起業した大きな理由の一つには、日本人の活躍の場を更に創出していきつつ、そこから日系企業のグローバル競争力のより一層の強化に繋げたいという想いがあったからです。そういった部分には非常に大きなやり甲斐を感じています。  🎩なぜ起業する場所としてメルボルンを選んだの?ー経験からネットワーク・経験・知識を活用できる場所  メルボルンで約7年の⼈材業界での会社員経験を経て、⾃分のネットワークと経験・知識を活⽤すれば起業しても勝負できると判断したので、結果的にメルボルン⼀択での起業となりました。  起業にあたって、最も⼤事なことは「何を武器(専⾨性)」に「何処で勝負する(場所)」かだと思いますが、私にとってはそれが整っていたのがメルボルンだったということですね。  🎩今の仕事のやりがいと大変なことは何ですか? ー 「ありがとう」を活力に挑戦を楽しんでいます 何でもそうだと思いますが、一番大変なことは、始めることより、それを継続していくことです。  ビジネスも同じで、会社を立ち上げることはそれほど難しくありませんが、継続していくことは想像以上に大変です。会社員とは違って、経営者は常に会社を存続させていきつつ、自分で雇った従業員をちゃんと守っていかなければいけません。それが何より大変ですね。  と言いつつも、同時にそれが一番のやり甲斐でもあり、面白さでもあります。  ビジネスを継続させていく為には順風満帆な時も、コロナでのロックダウンの時も常に新しいビジネスや、より良い方法を計画・実践・反省を繰り返しながら、前進しています。  会社経営以外では、やはり仕事を紹介して採用された方から「ありがとう」と言ってもらえると嬉しいですね。  🎩オーストラリアでのお給料事情は?賃金が高めという印象がありますが、実際はどうなのでしょうか? ー 高いですが、生活費や福利厚生を考えると日本も悪くはない 賃金は間違いなく日本より高いですが、Living Cost(生活費)も高いです。なので給与が高い分、豊かであるというよりは、それだけの給与がないと生活するのがなかなか大変というのが実情です。  単純比較ですが、日本の最低時給(全国平均)が時給1125円であるのに対して、豪州の最低賃金は2024年7月時点では24.10ドルとなっています。(週給ベースでは$915.90)  また、日本でいうアルバイトは豪州では「カジュアル」と呼びますが、この場合は上記の時給に対して25%の手当が追加されます(その代わりに有給休暇などは付きません) 。 また、平均年収も日本とはだいぶ違います。  下記はオーストラリア統計局(2024.05時点)のデータですが、フルタイム(週38時間勤務)の場合の全国の平均年収は100,016ドルとなっており、公務員の平均115,164ドル(男性)、102,856ドル(女性)、会社員の場合は103,755(男性)、88,316ドル(女性)となっています。  とは言え、日本の場合は福利厚生が充実しており、例えば「家賃補助」「交通費負担」「社会保険」「年金」など、実際には会社や組織が従業員のために負担し、積み立てたり、支払ったりしてくれています。  オーストラリアにはこういった福利厚生が殆どありません。会社は給与(+年金)を払って、「あとは自己責任で好きなように使って下さいね」というスタンスですので、こういった目に見えない福利厚生も給与として換算すると、日本の給与の方が一概に低いという訳ではないということですね。  🎩就職や将来のことを見据えて、我々が今からやっておいた方がいいことは?  

30.Aug.2024

【留学・海外就職を目指す方】質問に答えます!第一弾

皆さん、こんにちは! 今回は大学生から頂いたご質問に楠本がお答えいたします!大学時代のバックパッカーを経て、ニュージーランドへの留学も経験しています。海外留学、海外起業の大先輩が英語に関すること、海外で起業するということ、仕事のやりがい、なぜメルボルンのなのか?など皆さんからの仕事、留学、海外に関するご質問に回答させていただきます。ぜひ参考にしていただければ幸いです。次回にも続きますので、お楽しみに! 🎩楠本が思う英語上達方法は? ー 間違えてもいい!とにかく喋る!というマインドと地道なシャドーイング 正解は無いと思いますが、私の英語力の基盤は受験勉強とNZ留学時代に必死に勉強したものが基礎となっています。留学時は毎⽇ラジオを聞いて、何とか聞けるようになったら、今度はそれを真似して⼀⼈でブツブツ喋っていました。(シャドーイングという⽅法ですね)  あとは間違うことは気にせずに、ひたすら良く喋りました。特に学校では、間違えると先⽣が直してくれるので、授業中に発話量が多い⼈がどんどん上達していくというサイクルを上⼿く活⽤しました。逆に⽂法等の勉強は受験勉強と⽐べるとあまり難しく無かったので、机に向かって勉強するよりも、実際に英語を使うという⽅法で上達していったと思います。  そんな⽅法でしたので、あまり集中して勉強するというスタイルではありませんでしたが、「書く」勉強をする際だけは、時間を決めて集中してやっていました。実際に私がNZ で受けた英語の試験でも20分で⼀つのクレームレターを書き上げるとか、そういう内容のテストだったので、20分を測って、全集中⼒を20分に充てるといったやり⽅で勉強していました。  語学習得と「完璧主義」は相性最悪ですので、語学の習得に関して、完璧は⽬指さず、60−80%で良いやぐらいの気持ちで臨む⽅が結果的に上達のスピードは格段に上がります。  🎩なぜ大学を休学した際に、留学するのではなくバックパッカーを選んだのか? ー 色々な文化に触れたかった 当時は留学で一つの街にじっくり住んで学ぶよりも、色々な国や文化を見たいという気持ちが圧倒的に勝っていたので、留学という選択肢すら思い付きませんでした。  🎩様々な国を旅する中で、最も印象に残っていることは? ー 自分は幸せ者だと気づいたこと。失敗しても死ぬわけではない! バックパッカー中はアジア中心でしたが、その後は仕事やプライベートも含めて、ヨーロッパや北米、ロシアなどにも行きました。自分がどれだけ幸運に恵まれているのかを常に実感します。先進国の日本に生まれて、学生の身分でもバックパッカーでアジアを放浪できて、日本は世界のどの国よりも清潔で安全で便利。そんな国に生まれたのは本当に幸運だったというのが色々な国を旅してすごく良く分かりました。  また、失敗しても死ぬわけではないから、やる気と覚悟さえあれば、何でもやったら良いということに気が付いたのもバックパッカーでの発見の一つでした。  欲を言えば、世界共通語の英語が日本でも普通に話せる環境であれば、言うこと無しですけど、それは欲張り過ぎですね。  🎩大学時代に一年間休学を決めた時の周りの反応は?ー 健康と安全には気をつけてね 特に両親には反対もされませんでしたが、どうしてバックパッカーに行きたいのかは明確に説明しました。まぁ、自分で決めて、自己責任で行くのであれば、帰ってきてから頑張れよ、という感じだったと思います。納得してもらったあとは「元気で行ってこい」という程度でしたね。  周囲の友人は既にそういう性格だということも分かっていましたので、普通に激励会をやって送り出してくれました。(大学の夏休みには後輩がバンコクに遊びに来たので、合流して一緒に遊んだりもしましたね)  🎩留学してよかったこと(英語力の変化など)や驚いたこと、意識したことは? ー 自分に課題を課しました「目標達成までは日本語禁止令」 バックパッカーを1年やり通した経験があったので、英語力は低いくせに、コミュニケーション力と海外に対する自信だけは満々な状態でNZに乗り込んだのを今でも覚えています。しかもNZは先進国ですから、自分が放浪していた国と比べると格段に綺麗で安全ですので、「アジアやインドと比べると全然余裕だな」という変な余裕も持って乗り込んでいました。  ところが、現地の学校に入ってみて、早々に自信は砕かれました。  必要最低限で通じる旅の英語とは違って、日々の生活で使っていく英語は本当に幅が広く、しかもまず学校の先生の言っていることがさっぱり分からない、というところからのスタートですから、当たり前といえば当たり前なのですが…(笑)  学校に行き始めて、最初の1週間で当初目標にしていた「6ヶ月での英語習得」は到底無理だと自覚し、まずは最初の半年で英語が聞けるようになろうと目標を設定し直しました。  また、語学学校には日本人留学生もそれなりの数がいましたが、目標達成までは日本語は一切使用しないという鉄の掟を自分に課し、最初はなるべく日本人とは接しない、接するにしても自分よりクラスが上の人だけにしよう、という変なルールも設定。きっと、日本人留学生からすると相当変わった、感じの悪い奴だったと思います。そのお陰もあって、誰よりも短い時間でレベルアップも出来ましたし、その結果が数年後の海外就職に繋がったことは間違いありません。  ちなみに<6ヶ月で聞けるようになる>というのは、何となく実現できましたが、<残りの6ヶ月で話せるようになる>というのはいまだに「うーーん…」といった達成具合でした。  私にとっては英語はアウトプットの方が格段に難しいと今でも思っています。  🎩ニュージーランドの留学をどのように活かしましたか? ー 「言語」を習得したことと海外にチャレンジしたい気持ちが確固たるものになった時間 私にとっての人生のターニングポイントは間違いなく、バックパッカーで日本とは異なる世界を自分の目で見て、肌で感じたことだと思いますが、ニュージーランドでの留学経験は世界で生きていく為の「言語」を習得するという面で今でもすごく役に立っています。  また、バックパッカーは<旅>というスタイルですので、定住ではなく、常に移動をしていきますが、留学はある一定期間、同じ場所に留まり、そこで生活をします。定住をすると楽しいことばかりではなく、時には辛いことや悲しいことなども経験しますが、豪州への転職前に海外で1年半でも定住してNZで生活経験を積めたことで、海外転職後にスムーズ生活に馴染めたと思います。何より、海外にチャレンジしたいという気持ちを確固たるものにすることが出来て、その自信を確立することが出来た時間でした。 🎩簡単で美味しいオーストラリアの料理は?日本で買えそうなグルメは? ー Barbieしかない! オーストラリアの代表的な料理はダントツでBBQです。(料理というのかな?)  冬のメルボルンではなかなか難しいですが、夏になれば何処でもみんなBBQです。公園や川沿いにもBBQの施設があって、週末や夕方は本当に賑わっています。一家に一台はBBQ台がありますよ。  日本で買えそうなグルメ…  オーストラリアのワインは日本ではまだまだ認知されていないようですが、相当なレベルです。もちろん、本場フランスやイタリアのワインも美味しいのは間違いありませんが、オーストラリアワインも決して負けていません。但し、値段が安過ぎる(1000円ぐらい)のはあまりお勧めできないのですが、こちらで25ドル程度のワインぐらいからは美味しいものが沢山あります。学生時代に3000円のワインを買うのはなかなか冒険ですが、記念日や特別な機会にチャレンジしてみて下さい! ………続く 動画をご覧いただいた感想や質問、今後のトピックに関するリクエストもお待ちしています。(動画へのご感想やご質問は、コメントやメッセージでお知らせください) Career Meisterでは、皆様のキャリアの成功を全力でサポートいたします! ぜひ動画をご覧いただき、新たなキャリアの可能性を広げてください!🚀✨  

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