皆さん、こんにちは。今回は前回の続きで「大学生からの質問に回答」第2弾です⭐️
今回は大学生から頂いたご質問に楠本がお答えいたします!大学時代バックパッカーを経て、ニュージーランドへの留学も経験している海外留学、海外起業の大先輩が英語に関すること、海外で起業するということ、仕事のやりがい、なぜメルボルンのなのか?など仕事、留学、海外に関するご質問に回答していきます。ぜひ最後までお付き合いください。
NZ留学帰国後に入社した語学学校の運営・⽣徒獲得の営業から最終的には当時の会⻑秘書も経験し、仕事⾃体は充実していました。しかし、20代最後という節⽬でどうしても海外就職にチャレンジしたいという気持ちが抑え切れなくなりつつあったタイミングだったので、会社を辞める決断をし、転職活動をしていました。
転職は人材会社に絞っていたのではなく、職務経験から「営業」が自分の武器ということを自覚し、その武器で海外チャレンジできる仕事を探していたところ、たまたま「人材営業」と「支店の運営」いう自身の経験を最大限に活かせるポジションでオーストラリアの会社に採用してもらったことで、人材ビジネスに携わり始めたというのがきっかけです。
結果的に人材ビジネスはものすごく自分の性に合っていたということですね。
また、転職活動の際に留学を経験したNZを含めたオセアニア地域が第⼀希望でしたが、今振り返っても、オーストラリア、それもメルボルンに決まったのはもの凄く運が良かったと思います。
2007年に日本を離れてしまい、その後は日本の働き方も大きく変わったと思いますので、今の状況についてはあまり把握していません。しかし、その当時の日本の働き方と比べるとオーストラリアの働き方は全く違いました。
日本で働いていた頃は終業時間後に本社でミーティングをやるということで、当時は甲府に勤めていましたが、21時過ぎに甲府から本社(東京・大崎)に向かい、23時頃に着いてからミーティングを1時間ほどやるといったことも何度もありました(当然帰れません)。
当時勤めていた会社だけではなく、どの会社も労働に対するルールが無茶苦茶だった部分が大小問わず色々とあった時代です。
一方で、豪州は個々人の権利や生活が非常に守られています。従業員と雇用主が平等か、従業員の方がより保護されているという労働環境のため、会社に属して働く環境としては非常に快適です。
また、勤務時間が9−17時ということであれば、時間が決まっているサッカーやバスケの試合のようにこの時間内に全力で仕事を終えて、延長戦は一切なしで帰ります。
万が一、どうしても終わらない仕事がある場合も「延長は60分のみ」みたいな、これまたサッカーの延長戦のように時間を決めて猛烈にやり、再延長はありません。
但し、この場合は延長60分で終わる程度の仕上げで仕事を終えてしまいます。そういう働き方なので、日本のように終わるまではズルズルやりますといった働き方はあまり歓迎されません。
日本は試合が終わるまでは時間無制限でやる「野球」スタイルが馴染んでいますが、豪州を含め、欧米は時間内で決着をつける「サッカー」スタイルですね。
今の活動拠点がオーストラリアなのは、純粋にオーストラリア(特にメルボルン)での生活が非常に気に入っているからですね。同時に行きたい所、住んでみたいところは沢山あるので、自分の会社の経営を維持しつつ(何しろそこが収入源ですので)、色々と世界各地に行ったり、住んでみたいとは今でも思っています。
バックパッカーは予算の都合で物価の安いアジアが中心になりましたが、社会人になってからはヨーロッパや北米にも長期で遊びに行ってますし、今は特にアジアに拘っていることはありません。
ただ、オーストラリアから近いということもあって、サーフィン旅行でインドネシアのバリ島は年に2回は行ってました。
海外で仕事(特に日本と関わる仕事)を何年かしていると、気持ちの何処かに日本を代表して頑張っているという気持ちが芽生えます。特に私の仕事は豪州在住の日本人へ仕事を紹介したり、在豪の日系企業へ適切な人材を紹介するというサービスを提供していますので、直接的には日本人の雇用機会を創出し、間接的にも日系企業の海外進出とそこでの事業強化のサポートをしているという自負があります。
また、起業した大きな理由の一つには、日本人の活躍の場を更に創出していきつつ、そこから日系企業のグローバル競争力のより一層の強化に繋げたいという想いがあったからです。そういった部分には非常に大きなやり甲斐を感じています。
メルボルンで約7年の⼈材業界での会社員経験を経て、⾃分のネットワークと経験・知識を活⽤すれば起業しても勝負できると判断したので、結果的にメルボルン⼀択での起業となりました。
起業にあたって、最も⼤事なことは「何を武器(専⾨性)」に「何処で勝負する(場所)」かだと思いますが、私にとってはそれが整っていたのがメルボルンだったということですね。
何でもそうだと思いますが、一番大変なことは、始めることより、それを継続していくことです。
ビジネスも同じで、会社を立ち上げることはそれほど難しくありませんが、継続していくことは想像以上に大変です。会社員とは違って、経営者は常に会社を存続させていきつつ、自分で雇った従業員をちゃんと守っていかなければいけません。それが何より大変ですね。
と言いつつも、同時にそれが一番のやり甲斐でもあり、面白さでもあります。
ビジネスを継続させていく為には順風満帆な時も、コロナでのロックダウンの時も常に新しいビジネスや、より良い方法を計画・実践・反省を繰り返しながら、前進しています。
会社経営以外では、やはり仕事を紹介して採用された方から「ありがとう」と言ってもらえると嬉しいですね。
賃金は間違いなく日本より高いですが、Living Cost(生活費)も高いです。なので給与が高い分、豊かであるというよりは、それだけの給与がないと生活するのがなかなか大変というのが実情です。
単純比較ですが、日本の最低時給(全国平均)が時給1125円であるのに対して、豪州の最低賃金は2024年7月時点では24.10ドルとなっています。(週給ベースでは$915.90)
また、日本でいうアルバイトは豪州では「カジュアル」と呼びますが、この場合は上記の時給に対して25%の手当が追加されます(その代わりに有給休暇などは付きません) 。
また、平均年収も日本とはだいぶ違います。
下記はオーストラリア統計局(2024.05時点)のデータですが、フルタイム(週38時間勤務)の場合の全国の平均年収は100,016ドルとなっており、公務員の平均115,164ドル(男性)、102,856ドル(女性)、会社員の場合は103,755(男性)、88,316ドル(女性)となっています。
とは言え、日本の場合は福利厚生が充実しており、例えば「家賃補助」「交通費負担」「社会保険」「年金」など、実際には会社や組織が従業員のために負担し、積み立てたり、支払ったりしてくれています。
オーストラリアにはこういった福利厚生が殆どありません。会社は給与(+年金)を払って、「あとは自己責任で好きなように使って下さいね」というスタンスですので、こういった目に見えない福利厚生も給与として換算すると、日本の給与の方が一概に低いという訳ではないということですね。
これからの時代、社会人人生を一つの会社で終えるということは一般的ではなくなると思います。(少なくとも海外ではそんな人はいませんし、10年も同じ会社で勤める人も相当珍しい部類です)
そんな時にずっと活躍できる人とそうでない人の違いは<個人力>の有無に集約されています。特に大企業に属している人にありがちですが、「会社の名前」で仕事をしていたにも関わらず、それを個人力だと勘違いしてしまうケースです。
個人力とは一つの会社でのみ通じる力ではなく、世の中で生きていく力、社会で通用する能力や経験です。それは資格かも知れませんし、特定の分野での経験かも知れませんし、圧倒的な知識かも知れません。究極的には会社に属さなくても、自分で食べていくことが出来るだけの力が個人力の極みだと思いますが、これから社会に出て行って活躍する皆さんには、是が非でもそういったものを身に付けて欲しいと思います。
日本はまだまだ会社の立場が強く、「会社に雇ってもらう」という感覚かも知れませんが、オーストラリア人は会社と自分は対等という感覚が強く、「会社に雇ってもらう」というよりは「自分のスキルが活かせる・やりたいことが出来るからその会社に勤める」という発想です。逆にそういったことが出来なくなったら躊躇なく転職しますし、起業します。
「個人力を磨く為に会社を最大限に利用する」ぐらいの気持ちで、積極的に自分しか出来ない個人の力を身に付けて下さい。(別に一番になる必要はありません。自分はこれであれば食べていけるという武器と自信を持ってもらえれば大丈夫です!)
これは簡単。「出来ない理由」を探さないことです。あれこれ考えずにまずはやってみる。
やってみたら、後はやりながら修正していけば良いと思います。
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Category: コラム
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