オーストラリア就職

給料より「生活支援」を求める時代へ 〜2025年・オーストラリアで働く人たちの本音〜

19.Oct.2025

「給料を上げるよりも、日々の生活を支えてくれる会社を選びたい」

— これは、今のオーストラリアで働く多くの人たちの本音です。

先日、「Employee Insights Report 2025(by Origin Energy / Platform One)」のオンラインセミナーに参加しました。
1,500人の現役社員を対象にした全国調査の結果は、今のオーストラリアで働く人々の「リアルな価値観の変化」をとてもよく映し出していました。

先日発表された「Employee Insights Report 2025(by Origin Energy / Platform One)」では、1,500人の働くオーストラリア人を対象にした調査から、「給与よりも生活支援や柔軟な働き方を重視する」という明確なトレンドが見えてきました。

今回は、現地スタッフを率いる日本人駐在員の方々に向けて、この調査から読み取れる「マネジメントに活かせる5つの視点」をまとめました。

1. 給料よりも「生活を支えてくれる会社」が信頼される

9割の人が「生活費の高騰」を実感しており、6割以上が「会社はもっと支援できるはず」と感じているそうです。
もはや「給与アップ」だけでは社員の満足度は上がらず、「電気代やインターネット代の補助」「通勤費や保険料のサポート」など、日常生活を助ける具体的な支援が求められています。

これは、単なる福利厚生の話ではなく「会社が自分たちの現実を理解してくれているか」という信頼の問題でもあります。
つまり「生活を支えてくれる会社」こそ、いま最もロイヤリティ(忠誠心)を生む要素になっているのです。

これは、マネージャーとしても意識しておくべき重要な変化です。

2. 「Flexibility(柔軟性)」は特典ではなく当然の前提

2025年、働き方に関する最大のキーワードは「Flexibility(柔軟性)」です。
63%の人が「柔軟な働き方がない会社は選ばない」と回答しており、もはや在宅勤務は「特別な制度」ではなく「基本条件」になりました。

ただし、柔軟性とは「リモートワーク」だけを指すものではありません。
例えば「子どもの送り迎えで少し早く帰る」「2週間で9日勤務にする」「別オフィスで仕事する」など、「自分の生活リズムに合った働き方」を意味しています。

現地スタッフをマネジメントする駐在員の立場としては「出社=やる気がある」「在宅=手抜き」ではなく、成果とバランスを両立できているかという視点で見る必要があるでしょう。

3. 福利厚生は象徴的なメッセージになる

興味深い点として、73%の人が「福利厚生の有無が会社への信頼を左右する」と答えています。
つまり、制度を「使う・使わない」よりも、「自分たちのために何を考えてくれているか」が重視されているのです。

たとえば、フレックスタイム制や健康支援、プロフェッショナル開発などは、実際の利用率よりも「存在そのもの」が心理的な安心を生みます。
これは「自分が大切にされている」というシグナルとして受け取られるからです。

駐在員がマネージャーとしてできることは、制度をただ「案内する」だけでなく、背景や意図を丁寧に伝えること。
それだけで、チームのモチベーションは大きく変わります。

4. いま求められるのは「成果と健康のバランス」

2025年のレポートで最も印象的だったのは「ワークライフバランスが報酬を上回って、定着の最大要因になった」という結果でした。
これは、給与よりも「自分の時間を尊重してくれる職場」に人が残る時代になったということです。

「夜遅くまで頑張る」「休日出勤する」ではなく、「効率的に働き、きちんと休むこと」が評価される文化へ。
マネージャーにとっても、「頑張り」ではなく「バランスの良い成果」をどう評価するかが問われています。

5. 誠実さが、最大のリーダーシップ

58%の社員が「評判の悪い企業では働きたくない」と答えています。
つまり、信頼される上司とは「成果を出す人」ではなく、誠実に説明し、約束を守る人。
日本的な「空気を読む」マネジメントよりも、「なぜそうするのか」を明確に伝える透明性が重要です。

駐在員として、文化や制度の違いを超えて信頼を築くためには、「公平・一貫・誠実」の3つを意識することが、最もシンプルで効果的です。

最後に

このレポートが教えてくれるのは「社員を支えるとは、給料を上げることではない」ということ。
それは「社員の生活を理解し、時間と心の余裕を作ること」です。

オーストラリアで働く日本人駐在員の多くは、日々の業務だけでなく、現地スタッフのモチベーション維持にも頭を悩ませていると思います。
そんなときこそ、数字や制度の前に、まずは「生活者としてのリアル」に寄り添うマネジメントを。
それが、これからのチームのロイヤリティを育てる鍵になるはずです。

出典:
Employee Insights Report 2025 – Origin Energy / Platform One
(調査対象:オーストラリア国内の正社員1,500名)

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