オーストラリア就職

AI時代の新卒採用はどう変わる?オーストラリアの労働市場と新卒のキャリア戦略【オーストラリア就職#40】

AIの進化は働き方を大きく変えています。特に新卒やエントリーレベルのポジションは影響を受けやすく、「AIに仕事を奪われるのではないか」という不安は現実味を帯びてきました。今回の動画では、世界やオーストラリアで起きている変化を事例に、オーストラリアの新卒労働市場の変化と新卒がAI時代に負けないために身につけるべきことについてお話ししました。

世界とオーストラリアで起きている変化

Microsoftや豪大手通信会社Telstraのリストラ、Shopifyの「AIに代替されない仕事以外は採用しない」という発表など、アメリカをはじめとして世界各国ですでにAI導入が人材削減に直結しています。

アメリカやオーストラリアでの直近の事例(2025年7月時点)

  • Microsoft:15,000人を削減
  • Telstra(豪大手通信):約550人削減
  • ゴールドマンサックス:AIエンジニアを初採用(AIをエンジニア人材として採用)
  • Shopify:AIで対応できる仕事に関しては採用を凍結

特にテック系や通信業界では「AIで効率化」を理由に人員整理が加速しているように思います。これは新卒やエントリーレベル職にとって非常に影響が大きいと考えられます。

特にオーストラリアではもともと「新卒一括採用」の文化が弱く、給与水準も高いため、即戦力となる中途を採用する企業が多いのが現実です。それに加えてAIが台頭することで、新卒の職探しがより難しくなる可能性も否定できません。

実際にオーストラリアの労働市場はどうか変化しているのでしょうか。

オーストラリアの新卒市場はなぜ厳しいのか

新卒採用が難しくなっている背景には、AIだけでなく構造的な要因もあります。

  • オーストラリアは新卒一括採用の文化が弱い
  • 初任給が年収6万ドル以上と高額 → 中途を採用する方が合理的
  • スタートアップや中小企業は「育てる余裕」がなく、新卒採用は大企業に限定

そこにAI化が重なり、事務・サポート系の仕事が真っ先に自動化されていっているということが伺えます。実際に今はそのお試し期間中のように見えます。

一方で、上記に挙げた事例のようにアメリカほど劇的に新卒向けの仕事が減ったかというと、今のところはそうでもないというのが肌感です。

オーストラリアにおいてAI化は進んでいるものの、アメリカほど劇的に進んでいない背景としては、家族経営の中小企業が圧倒的に多いことが一つ挙げられます。初期費用などコストの面から大企業じゃない限り、AIを導入するのが難しいというのが現実です。新卒採用が厳しい背景には企業規模も関係しているのです。仮にAI導入にコストを割くのであれば、より一層新卒採用が限定的になる可能性もあります。

アメリカの事例を見ると、顕著なのは、「効率」の一択でAIが導入され、人員が削られている点です。人間味は一切感じられないですよね。

そういう意味でオーストラリアはまだ人間味があると思います。同じ英語圏なので、これからさらに拍車をかけてAI導入が進むことは十分に考えられますが、オーストラリアは「いい意味でまだ田舎」ですので、ファミリー感があり、セーフティネットもしっかりしています。

AIに置き換わる仕事と求められる人材

オーストラリアではAI人材(=AIを使いこなせる人材)の需要は増えています。

関連記事:オーストラリアにおけるAI人材の需要

肌感として実際にAI人材の採用が増えているかというと、弊社の日系企業クライアントではあまり顕著ではありません。でも、例えば事務職の求人は以前よりも少なくなっているかもしれません。自動化されたシステム(AI)をうまく活用して売り上げや数字を上げるという形で貢献できる人、つまりマネジメント層などの「AI人材」は需要が増えている感覚があります。

AIを活用した自動化は人材業界でも進んでいます。レジュメにあるキーワードを参照してマッチング度の高い人材をAIがリストアップしてくれます。Career Meisterでは基本的に全員と面談しますが、中にはショートリストをAIで絞ってコンタクトを取る「効率重視」のリクルート手法もあり、オーストラリアでは主流になってきています。

AIはすでに以下の分野で導入が進んでいます。

  • 事務・営業サポート
  • HR業務(求人広告、候補者スクリーニング)
  • 受付業務

新卒がAI時代に身につけるべきスキル

AIとうまく共存していくために、新卒の皆さんが持つべき武器は「自分の経験」です。AIは勉強はできますが、人間の経験値からの学びはAIには真似できません。新卒に限らずですが、若手の皆さんも含めてこれからのAI時代に負けないために、今やるべきは以下だと思っています。

  1. 経験を積む:動画を見て得た知識、聞いて得た知識ではなくて、自分で体験をして経験を積んで、自分にしか語れないストーリーを伝えていけること。「個」として力を磨くこと。
  2. AIリテラシーを高める:AIを敵と見るのではなく、ツールとして使いこなす。
  3. 人間性を発揮する:相手に信頼される人間力を示す。感情や経験から変化や状況を読み取る。例えば寿司職人だとして、その日の魚の状況、天気、お客さんのムード、コンディションを感じ取って寿司を握るから「美味しい」というのはありますよね。同じように営業でも仕事でも「人間」の力が試されます。

今後は少人数のジョブ型採用が中心となり、ホワイトカラーのエントリーレベル職は50%がAIに置き換えられる可能性があります。

そのため、企業に依存せず「個」として稼ぐ力を持つことが重要です。副業・独立・スキルシェアなど、キャリアの多様化が新卒世代にとって必須の選択肢になります。

AIの進化で新卒採用はこれまで以上に厳しくなるかもしれませんが、それは同時に「人間にしかできないこと」の価値が高まることだと思います。

経験 × 人間性 × AIスキルを武器にすれば、新卒でも十分にキャリアを築いていけます。

オーストラリア就職に悩んだらCareer Meisterまでお気軽にご相談ください。


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