新しい年を迎えた今、2025年の労働市場はどのように変化していくのか気になりますよね。特に注目されるのが、スポンサービザ(Subclass482)の改定です。これにより、企業と求職者の双方に新たな課題とチャンスがあるかもしれません。今回のYouTubeでは、2024年の労働市場総括と、2025年の労働市場予測、スポンサービザの改定についてお話ししています。
2024年は、オーストラリアの移民法の改訂により移民関連、ビザ関連の変更がありました。また、労働市場がコロナ以前に戻ってきたことで、求職者が有利な売り手市場から企業が有利な買い手市場へシフトしています。2022年から2023年の出稼ぎ状況から一変し、ワーホリの方がなかなか仕事に就けないなどのニュースが注目されましたが、実際の労働市場でも同様に「人が余っている」という状況が2024年上旬から続いています。2024年は新しい規定ができたり、移民が一気に増えたり、またビザの改定など労働市場に多くの変化をもたらしました。
2024年8月から新しくRight to disconnectが施行されました。労働者を守るための権利で、会社からの就業時間外の連絡において、緊急性が低い場合は「返信・反応しなくても良い」ということが定められました。現状ではまだ判断基準が曖昧ですが、2025年内に判例により少しづつ判断基準がクリアになっていくことが予想されます。
参考:Fair Work: Right to disconnect
こちらも合わせてご覧ください:繋がらない権利-Right to disconnect- 2024年8月26日から施行!
2024年8月に「カジュアル労働」が再定義されました。カジュアル労働は平たくいうと、「空いている時間で働く」という雇用です。雇用主からしても必要な時に働いてくれる人、働く側も、受け取ったシフトに対して働くか働かないかの選択肢があります。わかりやすく例えると、「今日働ける?」「いきます!」もしくは「今日働ける?」「今日は無理です」という具合です。上記のようにカジュアル雇用は「完全にカジュアル」であるため、有給や手当がない代わりに時給が通常の25%高くなります。
参考:Fair Work:Casual employees
コロナで足止めを喰らっていた留学生や永住権を持っているけど入国できなかった方が2022年半ばごろに一気に戻ってきました。その影響で留学生においては、2年のコースを経て、2024年に卒業する方が今までになく多くいました。そのため、「就職」の観点から見るとエントリーレベルの就職が非常に厳しく、また、この時期に来た移民の増加も相まって労働市場(特にエントリーレベル)は溢れかえっていたような印象です。
2025年も買い手市場が予想され、この状況は続くと考えられます。
2025年の見通しですが、2024年と大きく変化はないかなと予想しています。ただ、労働規制の観点からすると、以下の変更が予定されています。
2024年8月からすでに施行されていますが、実はスモールビジネスでの施行は2025年8月からになります。なので、今年から全ての企業において適用されることなります。
2025年7月からはSuperannuationが12%に上がります。これは雇用主側に関係する内容ですが、ご自身のSuperannuationも確認するようにしましょう。ちなみにSuperannuationは継続的な計画上昇が実施されており、今回11.5%→12%になります。2025年7月のパーセンテージが2028年まで継続される予定です。
退職金として雇用主が給与とは別に従業員に支払うものです。 ファンド(もしくは自分)がそのお金を運用(投資)し、 60歳以降に引き出すことができます(例外あり)。 言わば会社が支払ってくれるiDeCoを想像していただくとわかりやすいかもしれません。
参考:・Australian Government Australian Taxation Office : What is super
・Australian Government Australian Taxation Office : Super guarantee
2024年12月7日にスポンサービザ改定が施行されました。これまでのTemporary Skill Shortage (Short-term) visa (subclass 482)がSkills in Demand Visaという名称に変更になり、内容も少し変わっています。このSkills in Demand Visaは3つに分かれました。
このビザは年収135,000ドルを保証されたプロフェッショナル分野(Labourner, Tradeを除く)の人が対象になります。
このビザは年収71,500ドル以上でSpecial Skills Streamまでもいかない方が対象です。さらに、これまで同様に職業リストに記載されている職業に従事していることが条件になります。
政府とのLabour Agreementのある雇用主のもとで働く必要があります。LabourやTradeが該当します。
※個々の状況により、条件が変わることもありますので、詳細の内容はビザコンサルタントへご確認ください。
このビザの改定、移民政策の方針で読み取れることは、オーストラリアとして高技術の人材を積極的に受け入れていくということです。且つ、ハイインカム(135,000ドル以上の高収入)で、更なる雇用を生み出すことも期待され、オーストラリア経済に貢献できる人材を求めています。特に、オーストラリアに来てから職を探していく方よりも、スポンサービザで渡豪してくる層を求めています。
また、36歳以上は卒業生ビザを申請できないという観点からは、今後活躍してくれる素養のある若年層を求めていることがわかりますね。
結局、移民が増えすぎて、オーストラリア人が就職できなくなると困るので、国民を守るために移民で人口調整をしているのは明確ですね。ただ、やはり国としてもハイスキルの人材が不足していることを背景に高技術人材を歓迎しているということだと思います。
参考:・Australian Government : Migration Strategy – Action Plan
・Australian Government : Temporary Graduate visa (subclass 485)
今後も就職が厳しい状況が続くかと言われると、世界情勢でオーストラリアの景気がどう左右されるか不明瞭なので難しいですね。一方で、オーストラリア就職に関して必要な要素に変化はないと思います。必要なのは、働けるビザ・英語・専門スキル(経験)、それに加えて車の免許があると望ましいです。今、オーストラリアに進出してくる日系企業の特徴として、ある程度の市場を持っているオーストラリアの企業を買収して子会社にして進出してくるパターンがトレンドです。政情不安も少ないですし、市場規模も大きすぎず、英語圏の文化でどれだけ通用するのかを試すのにはオーストラリアは最適なので、2025年もその傾向は続くのではないかと予想しています。その際に、日英バイリンガルの現地に精通しているオールラウンダーの事務スタッフはひょっとしたら求人が出てくるかもしれません。このパターンでもやはり会計や経理などは強いですね。
2025年の年末に一緒に振り返ってみましょう。
では2025年もどうぞよろしくお願いいたします。
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