オーストラリア就職

【オーストラリア就職#31】採用側から見る「仕事探しのコツ」とは?

海外起業家対談ー海外で起業し、創業10年を迎えた社長さんへインタビューー

この動画では、オーストラリアで10年間経営してきたゲスト森田さんと、Career Meisterの創業者 楠本が起業に関してお話しています。前回までの動画では、海外で起業するに至った経緯と資金調達や成功のポイント、起業に必要なマインドセットなどをお話ししてきました。今回は、採用側から見る「一緒に働きたい人」についての見解をお話ししています。少し前から、出稼ぎワーホリに終止符の状況が続いていますが、その裏側もわかっちゃいます。愛のある厳しさで、リアルな情報をお話しいただきました。貴重な情報が連発。海外起業を目指す方、就職を目指す方の参考にしていただければ幸いです。

  • 採用側から見る「仕事探し」
  • VISAは強行突破!?
  • 海外起業家の日本愛

▼ゲスト紹介 森田永生(もりたえいせい)

幼少期をメキシコで過ごし、小中学校時代は埼玉・所沢で育つ。15歳で単身オーストラリアへ渡り、メルボルンの高校に進学。異文化の中で挑戦する経験が、その後の人生の土台となる。法政大学社会学部を卒業後、大学院留学で再びメルボルンへ渡り、ラトローブ大学院で教育学を専攻。学生時代から携わった飲食業界で経営を実践的に学び、2014年に独立。翌年、メルボルンに「IROHA」を開業し、9年間にわたり店舗を運営した後、2024年に事業売却。現在はフリーランスのコンサルタントとして飲食業界を支援する傍ら、教育分野と自身の経験を掛け合わせた新たなキャリアを模索中。 「人の成長を支え、可能性を広げる仕事を創る」――そんなビジョンを胸に、次のステージへ挑戦を続ける。

雇う側として人材を採用する際に見ているポイントは?ー経験と人柄ですね

楠本:ちょっと前だと、出稼ぎでオーストラリアにワーホリという流行りもありましたが、実際に雇う側から見ると、最低賃金が24ドルくらい、さらにカジュアルだとこれに+25%で30ドルくらいですよね。年収にして500万円程度が最低年収になってくると思うと、働く側と雇う側の目線は少し変わってきますよね。例えば永生さんの場合は、飲食店で働きたいワーホリの人も山ほどいらした思いますが、どういう基準で採用していたんですか?

森田:僕の場合は、結構人柄重視でやっていたと思うんです。経営者によって、お店のコンセプトや必要な人材が変わってくるから一概には言えないと思いますが、僕の場合は、ターゲット客層がローカルのお客様でしたので、「日常会話ができます」という人は基本的に採りませんでした。厳しいですが、日常会話ができても仕事上意味がないんです。英語で仕事ができないと意味がない。僕のお店の場合は、小さい規模なので、薄利多売ではなく、客単価あたりに利益をある程度確保しなければいけない。セールス能力も必要になる。ただ右から左に流す、人が溢れているシティーでのお店とは違うんです。なので、従業員へもお店のコンセプト、どう売上を作っていくかなどを共有して、こういう接客して欲しいというのを明確に提示していましたので、そのための英語力って考えると日常会話以上のレベルが必要になってきます。お客様へのアプローチの仕方だったり。「アルバイトでもプロだよ」というスタンスでしたので、僕のお店はかなり厳しい方だったと思います。同じ時給を払うんだったら、日本人じゃなくてもいいという選択肢になってきます。日本食だから日本人という、日本人という武器はもうないんです。

オーストラリアに来て、英語で仕事がしたいのであれば、ある程度基盤を作ってこないと現状では厳しくなってしまいました。「働きながら英語も勉強したい」というのはある程度のベースがないと成り立ちません。厳しいですが、ビジネスであり学校ではないので。もちろん、ベースがあって、それ以上さらに伸ばしていきたいというならサポートはできますし、してきました。

経験という面でも同じです。何も経験がない人はチャンスと与えるのが難しい。理由はやっぱり最低賃金が高いからです。お店をやる側から見て、リスクは減らしておきたいですよね。

英語力はどう測っている?ーIELTSのスコアは全く見ません!

森田:うちの場合は、トライアルの時に様子を見てみたり、もしくは自分が英語で話しちゃいます。

楠本:レジュメ上の英語レベル、例えばIELTSやTOEICのスコアは参考にしますか?

森田:(食い気味に)全く見ません!

楠本:今の話でいくと、絶対的にやはり賃金が高い。つまり即戦力じゃないと人を雇えない。それが今のオーストラリアのスタンダードになっているから、さらにレベルアップしてもらう分には良いけど、未経験の人材を雇って育成していくのは難しいですね。

オーストラリアで働くのにやはり経験は必要?ー経験がない人は門前払い

森田:僕は飲食業ですが、経験のない人は門前払いになってきてしまいました。レジュメを見ても経験がない人は「そう」で終わっちゃう。だから必ずここを踏み台にしろと言ってきました。ここで経験を積んで、魚を捌けるようになれば、寿司刺身はブランドだから引くてあまたです。それだけでニーズがあるから、オーストラリアに限らず、どこでも多分食いっぱぐれはしないはずです。その根底にあるのは、どうせならためになる方がいいし、そう思える人のモチベーションがお店にとってもプラスになるということです。「いいお店、いい売上、いい利益」だと思っています。そこでの経験が、その人の将来のためになってほしいと思います。ただ、繰り返しになりますが、「経験がない」「なんでもします」は難しい。最低賃金が上がってしまった今はそういう時代じゃなくなってしまいました。

楠本:じゃあ、履歴書ポイントとしては経験があるかないかですね。

森田:僕は年齢も見ないし、国籍も見ません。経験ですね。今は本当に厳しいので、それくらいシビアに考えていました。でも、強調したいのは、チャンスはある。準備だけしてきた方がいい。

採用の時代が変わったのはコロナがきっかけ。どういう人を採用したいか?

楠本:コロナまでは現金のお店も結構ありましたが、コロナ後からは接触しない決済ということで一気に電子決済が導入されましたよね。結果として、給与とスーパーアニュエーションなどが全て連動して国で管理できるようになったんです。

森田:システム導入によりさらにコストもかかるようになりました。例えば、ブッキングシステム(予約システム)も便利だけどもちろんお金がかかります。システム代+コミッションが発生しているんですよ。一人当たりの何%分が取られます。カード決済の端末も手数料がかかります。チリツモで結構な金額になるんですよ。で、ウーバーイーツも売上の35%が手数料となる仕組みです。本当に戦略を持ってやらないと実は赤字になる。飲食店は薄利で、特にファインダイニングになればなるほど2%とかの世界です。そう思うと、35%は厳しいんです。

楠本:確かに、続けていく方が難しいですよね。今の特にそういう環境の中だと。逆にいうと、採用される側もそれを一緒に考えて、会社のために貢献できる意識を持ってくれる人じゃないといけないですね。

森田:そう、どうビジネスが成り立っているのかをGoogleで検索してから来てくれたら、全然違います。

楠本:やっぱり従業員に期待するのは年収同等の売上ではなく、3倍以上が理想ですもんね。そこが従業員と経営者(雇用者)目線でだいぶ変わってくると思うんですよね。僕も会社員の時はそこまで考えなかったですが。特に、小さい会社ほど一人一人の売上が大きく反映してきます。オーストラリアは圧倒的に少数精鋭の小規模企業が多いので、そういう意味でも日本人に多い「未経験だけど頑張ります!」という採用が厳しくなっているかもしれません。正社員で探したい場合は、自分がどう会社の利益に貢献できるかまで踏み込んで話せると結構いいアピールになるかもしれません。

森田:あと、僕の場合は、「将来起業したい」という人は積極的に採用しました。そういう人たちは吸収力が全然違う。それはお店にとってもプラスになります。

「レジュメ配り」と履歴書の書き方

森田:履歴書ひとつとってもちゃんと書いている人はすぐにわかります。配っているだけの履歴書は正直言って見ません。カバーレターがない人は基本的に見ない。今は、Seekなどで簡単に応募できますが、たくさんの応募の中から1人働いてくれる人を選ぶとなると、ただ送ってるだけだなって人に気持ちはどうしてもくっつかないですよね。

楠本:例えば絶対にCareer Meisterで働きたいという人ととりあえず弊社に応募してきた人、人を見る際のスタート地点が変わっちゃいます。

森田:強いていうなら、ただ配られてもメモ用紙で終わっちゃう。「昨日レジュメを持って行ったんですが、興味があるから面接してほしい」とかフォローアップをしてくれたら、他のスタッフにもその方の雰囲気を聞いて面接するパターンもありますね。そこで、他のスタッフが難色を示したら面接しませんので、渡す際の雰囲気も見られていると思った方がいいですね。

最後に視聴者の皆様へメッセージをお願いします

森田:仕事が見つからなく心配な人もいると思いますが、必ずチャンスはある!日本人にとってここは外国なので、日本のようにはいかないこともいっぱいあるし、当然です。まずは、行動してみてください!

楠本:ある意味日本では気づきにくい自分の強さとか、弱さとか。そこをより分析できるんじゃないですかね。日本だったら特に不利にならなくても、英語ができないと不利だし、経験がなくて即戦力じゃないと不利だし、そういうのを客観的に分析して挑んでいけばいいですね。

VISA取得は強行突破!?ー直接イミグレに直談判しました

森田:僕は大学院に行っていたので、ポイント的に足りたんですね。永住権のことはあまり考えてなかったんですが、「永住権取れるんじゃない?」って言われて、取れるかも!と思い、イミグレーションに行きました。

楠本:イミグレに直談判したんですか!?

森田:はい。たまたまそこで会った人がスーパーバイザーで、「僕は、永住権欲しいし、ここにいるべきだと思う」って話したら、なんとレターを書いてくれて。そのレターでビザを申請したら、3日で降りたんです。

楠本:いや〜、これは良い子の皆さんは真似しないでくださいね。

森田:オーストラリアって良くも悪くもちょっとルーズなところがあるから、それを逆手に考えれば意外といけることもあります。ただやっぱりまずは行動してみないとですね。

楠本:言ったもん勝ち的なところはありますよね。それで変わるかはわからないけど、言ってみないと始まらない世の中ですよね。

最後にどうしても伝えたい日本愛

森田:これは話が逸れちゃうかもしれないですが、どうしてもお伝えしたくて。海外にいると、日本に帰国した際に、「日本にいないからね」と言われることもありますが、オーストラリアで経営している日本人ほど日本のことを考えて動いている人はいないんじゃないかな。日本に帰るたびに俺らの方が熱いぞと思っています。ワーホリとかですぐに日本に帰る子たちも、オーストラリアで少しでもいい経験を積んで帰ることで日本がもっと盛り上がればいいなと思ってやってます。そういう人材が日本に戻ってくれたらいいなと思いますし、岳さん(楠本)の「そういう人材どんどんうまれたらいいな」と思ってるって話を聞いて、めちゃくちゃ共感しました。

楠本:うちの会社の場合は、日本人に活躍してほしいので、もっと言えば日本人が活躍するフィールドがいっぱいできるためには日系企業にも活躍していただいて。日系企業が活躍できれば、そこで働ける人も増える、そういう循環を作っていきたいですね。

お楽しみ頂けましたでしょうか?

次回もお楽しみに!


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