この動画では、オーストラリアで10年間経営してきたゲスト森田さんと、Career Meisterの創業者 楠本が起業に関してお話しています。前回の動画では海外で起業するに至った経緯とそのきっかけをお話ししています。今回のトピックは、気になる資金調達や起業に向いている人の特徴など、起業家のマインドセットについてです。また、後編では採用側から見る「一緒に働きたい人」についての見解をお話ししていますので、ぜひチャンネル登録をしてお待ちください。貴重な情報が連発します。海外起業を目指す方、就職を目指す方の参考にしていただければ幸いです。
▼ゲスト紹介 森田永生(もりたえいせい)
幼少期をメキシコで過ごし、小中学校時代は埼玉・所沢で育つ。15歳で単身オーストラリアへ渡り、メルボルンの高校に進学。異文化の中で挑戦する経験が、その後の人生の土台となる。法政大学社会学部を卒業後、大学院留学で再びメルボルンへ渡り、ラトローブ大学院で教育学を専攻。学生時代から携わった飲食業界で経営を実践的に学び、2014年に独立。翌年、メルボルンに「IROHA」を開業し、9年間にわたり店舗を運営した後、2024年に事業売却。現在はフリーランスのコンサルタントとして飲食業界を支援する傍ら、教育分野と自身の経験を掛け合わせた新たなキャリアを模索中。 「人の成長を支え、可能性を広げる仕事を創る」――そんなビジョンを胸に、次のステージへ挑戦を続ける。
森田:自分の場合は、銀行がお金貸してくれるだろうと思っていたので、大手の銀行に起業資金を貸してほしいと話に行きました。当時は、全然貯金もなくて、ファーストビジネスでしたので当然突っぱねられたんです、「お前、よく来たな」みたいな感じで。今考えたら、竹槍で突っ込んでましたね。よくよく考えたら、高利貸だから借りなくて良かったなとは思っています。
それで、どうしようかと思っていた時に、手を差し伸べてくれる社長さんがいたんです。自分のこれまでの頑張りを見てくれていた人で、「独立したい」と自分の思いを説明したら、「じゃあ、事業計画書を書いてきなさい」と。もちろん書いたことはなかったんですが自分なりに作成して提出すると、「気持ちが熱いのはわかるし、やりたいことも明確だけど、ビジネスにおいて一番重要な数字の部分が甘すぎる」とダメ出しを喰らいました。本当にお店があることを仮定して、家賃を調べたり、1日の売り上げ・利益はどれだけあればいいかを算出して、返済計画も立てて、やっと認めてもらいました。これだけ貸し付けるからやってみなさいって。半月に一回は事業状況を報告するという約束で、資金をいただくことができました。
楠本:投資家に話を通すわけですから、それは大変ですよね。
森田:でもその事業計画書は、自分が10年お店を経営する中で、本当に作っておいて良かったと思っています。それを常に見返して、立ち上げた時の自分の思いとか、この会社はこれを目指す会社ですっていうのが明確に記載されているので、それを元に方向修正をしたり、方向性を決めることができた。経営者としての第一歩はこれだぞというのをしっかり教えてくれて、いろいろアドバイスしていただいたのは、本当に感謝しています。事業計画書は今でもバイブル。自分で書いたけどバイブルです。
楠本:最近では、投資家でお金を借りてビジネスをスタートする人が多いので、非常に参考になりますね。最終的にバイブルと呼べるような事業計画書があって、それに基づいて事業をやっていく。それに賛同して、納得してもらえる投資家を集めるのが、一番最初絶対必要ですよね。
森田:飲食業は新規参入しやすい業態ですので、規模によりますが、他のビジネスに比べたら初期投資が少なくても始めようと思えば始められる。でも、僕のアドバイスとしては、細かいプランをちゃんと持っておかないと、コロナのように予測できないことが起きた時や、ニーズの変化でお客さんが来なくなった時など、お金をどう回していくかの軸になるものがないと無理だと思いますね。たとえ、小さいコーヒーショップでも同じです。
楠本:日本から来る人でも、オーストラリアで事業を始めたい人や、企業がオーストラリアに進出してくる際に一番の鬼門になるのは、出ていくお金の大きさですよね。人件費と家賃。
森田:お店を経営して10年超えたら、出ていくものが多すぎてあまり旨味がなくなるなと思う。オーストラリアは特に、毎年家賃が3−4%上がり、10年で30%。で、最低賃金も毎年上がる。その状況で次の10年同じ利益を生み出し続けれるかと言えば、正直自信がなくて。みなさん、本当に苦労しています。だからオーストラリアには老舗がないんです。もう変えて、売って、回していくしかないんです。「食」って文化じゃないですか。受け継いでいくもの。でも、オーストラリアでは利益を作ったらもう売却して次々やっていかないと本当に難しい。容赦無く上がり続けるコストに対応できなくなるんです。
この後、採用についてお話ししていきますが、オーストラリアは稼げると言われる一方で、経営側の目線から見るとかなり厳しい状況です。働けるチャンスはあるけど、実はそんなに簡単じゃない。
楠本:飲食店に限らず、小規模の事業は本当に大変です。元々僕は2015年に起業しましたが、1人で始めたんです。最初は自宅で、その後、シェアオフィスで月500ドル程の使用料(家賃)でした。実は平日サーフィンに行けるだろうと思って独立したのもあります。
で、僕は完全に自己資金で始めました。銀行からも一切お金を借りていません。月500ドルのオフィス代と、携帯代、最初にパソコンなどを一式揃えるお金だけでしたので、ランニングコストが安かったんです。人材を紹介して、採用されたら収入ができるわけですから、費用をほどんとかけずに収入を得る無敵のビジネスモデルだと思っていました。ですが、競争相手が増えてきたり、自分を取り巻く環境が変化していくことで、変えていかないといけないと思ったので、パートタイムの従業員を雇い始めました。その時初めて、「結構稼がないとやべえな」と思ったんです。サーフィンも犠牲にしないとなと。逆にいうと、人が増えることでできることが増えたんですが、プレッシャーも増えますので、やんなきゃいけないなと思いますけどね。
森田:なんだよ、海が優先かよと捉えらる人も多いと思いますが、僕はすごく大事だと思っています。一番大切なのは、なんの職業につくかではなくて、「どういう風に自分が生きたいか」だと思っています。結局一番大事なのは、何をしている時に幸せで、どういう風に生きたいか。僕の場合は、そこに飲食店をくっつけました。特に起業するって、旨みもあるけどもちろん苦味もあります。そういう時でも自分がこういう風に生きたいから僕は起業するんだって思う方が楽しい。雇われていれば、定期的にお給料が入ってくるけども、起業していれば自分のアイデアでいろいろできる可能性がある。
楠本:今まさに、永生くんが言ったけど、要は「自分の人生をどういう風に生きたいか。それをどう仕事と連動させていくか」。人材業をしていますが、本当は自分の人生をどうしたいかによって、仕事なんてなければ作ればいい。自分の生きたいように生きるには、どういう風に仕事を活用するか。こういうのを日本の大学でも教えてくれたらいいですよね。
そう、繰り返しですが、どんな風に生きたいかが最優先。起業することで叶うなら起業したらいいし、会社員でも叶うなら、会社員でもいい。
楠本:独立して一番最初に思ったのは、仕事が上から降ってこない!指示が何にも飛んでこないんです。自分で仕事を作っていかないといけないし、もちろん誰もお金を稼いでくれないので、自分で稼いでいかないといけない。脳みそフルコミットで仕事を作り出していくことが面白いと思える人の方が向いていると思います。
森田:それが面白さなんですよね。銀行口座にいくら入ったかじゃなくて、その過程を楽しめるか、それを面白いと思えるかどうかが、経営者になるためには結構重要だと思います。やっぱり、24時間考えますからね。もう何をしてても。今考えると、もちろん仕事が休みの日もあるんですが、何かしてても「これいいな」と考えたり、休日なんてありませんでした。でも、それが楽しい。オーストラリアで起業、経営されている日本人もいますが、やっぱりすごいなと思います。楽して稼いでる人なんていないですよ。楽しみながらも必死こいてやってます。やっぱりオーストラリアにいると、僕らは外国人なので、強みを活かしてどう勝負するかは、常に考えているはずです。
楠本:まあ、自分の会社だからね。逆にそういうのが「苦痛」であれば、起業には向いていないかもしれません。今、起業したい人が多いですが、自分の中で少なくともこれなら戦っていけるというものがある方が多分成功しやすいと思います。
森田:そう、できるだけ武器を持つ!竹槍じゃなくて。
楠本:オーストラリアで起業する場合は、永生くんもそうだけど、オーストラリア人と同じような武器で戦っても絶対に勝てない。だから我々はあくまで「日本人」というのを前面に出して戦ってます。自分の武器を明確に見極めるのが大事だと思います。その辺がポイントだと思います。
森田:繰り返しになっちゃうんですが、「行動する」ですね。今動けないのであれば、今できることでたくさん引き出しを作っておく。武器を備えておく。あとは、がむしゃらに泥臭くやれば、自分が思った結果にならなかったとしてもその過程がそのあとすごく為になったりします。それを見ている人が評価してくれることもある。起業のためには、お金の繋がりもタイミングもあるので、とにかく動き回ることが大切かなと思います。
もし、今日本にいるのであれば、世界は広いから一回出てみるといいと思います。世界に出ることが絶対正解ではないけど、出ることでちょっとだけ視野が変わるはずだから、ちょっと目線が変わるだけで自分のやりたいことが見えたりもする。動かないと当然何も変わらない。
楠本:起業すること自体は特別な才能とかいらないじゃないですか。少なくとも自分が生きていく、もしくは数人規模の小さな会社を経営していくことに特別な才能は必要ないですが、やっていることに多分いろんなヒントがある。会社員でも、一つ一つの仕事が独立しても役に立つことが往々にしてある。一旦自分で会社を始めたら、もう続けるか畳むかしかないですから。やっぱり自分を取り巻く周りの状況も時と共に変化していくので、その中で生き残るためにはもう動くしかない。
飲食業コンサルティング、飲食店のメルボルン進出など、森田さんにご相談されたい方は、Career Meisterの問い合わせからご連絡ください。
次回は、採用についてです。
次回もお楽しみに。
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