オーストラリアのモリソン首相は22 日、有効なビザ(査証)を保有する日本の国籍者について、新型コロナウイルスワクチンの規定回数の接種を完了していることを条件に、2021年12月1日から入国を認めると発表した。
ニューサウスウェールズ(NSW)州、ビクトリア(VIC)州、首都圏特別区(ACT)に限って、隔離なしで入州することが可能になる。連邦政府は国内で16 歳以上の接種完了率が85%を突破したことを受け、出口戦略に従い経済正常化に向けて国境規制の大幅緩和に動いた形だ。
日本に関する入国許可は、日本のパスポートを保有し日本から入国する渡航者が対象で、出張者や観光客も含まれる。対象者は、渡航規制の免除申請が不要となる代わりに、オーストラリアが定めた接種証明書と、出国前の72時間以内に受けたPCR検査での陰性証明を提示する必要がある。韓国にも同様の緩和が適用される。
ワクチン接種完了者とみなされるには、オーストラリア医療製品管理局(TGA)が認可したワクチンを規定回数接種してから7日間経過する必要がある。ファイザー製やモデルナ製などのワクチンの規定接種回数は2回、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製は1回となっている。
オーストラリアでは、海外からの入国者に対する入州・隔離要件は各州・準州ごとに異なっており、現状で接種完了者に対する隔離義務が撤廃されているのは3州・特別区のみ。また、オーストラリアから日本への入国時には日本政府が実施している水際対策措置に従う必要がある。
オーストラリアは2021年11月1日に、オーストラリア国籍者や永住者、その近親者の入国を認めたほか、ニュージーランドとの隔離なし渡航も再開。11月21 日にはシンガポールとの自由渡航も開始し、段階的に国境開放を進めている。
特定ビザ保持者も入国可能に
連邦政府はこれに加え、日韓以外についても、学生ビザや技能ビザ、ワーキングホリデービザなど28 種類の対象ビザ保持者の受け入れを12 月1日から再開すると発表した。
国境規制緩和により、渡航規制の免除申請不要で入国が可能となるビザ保持者は20 万人に上る見込み。昨年3月に国境が閉鎖されて以降移民数が激減し、多くの業種で人手不足が深刻化していることから、企業には朗報となった。
オーストラリア商工会議所(ACCI)は、州・準州政府が(隔離要件について)それぞれの立場を明確にする必要があるとしている。
<Resources/参考情報>
The Daily NNA豪州&オセアニア版(Australia & Oceania Edition)
https://www.nna.jp/corp_contents/
https://www.nna.jp/news/show/2266262
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