今回の動画では、これからオーストラリアでの就職・転職を目指す方に知っておいていただきたい「未来を見据えた職種・業界選択」「自分の市場価値の高める鍵」についてオーストラリアから自動車製造業が消滅してしまった背景と、自動車業界にいた方々のその後のキャリアを事例にお話します!
今回の動画もオーストラリアでの就職やキャリア形成を真剣に検討している方々にとって、見逃せない情報が満載です!
A. オーストラリアでは2014年まで3つの会社(GMホールデン、フォード、トヨタ)が自動車を製造していました。3社が自動車を製造することで、部品製造メーカーなどを含めて、数多くのメーカーがメルボルンを中心に存在していました。しかしながら、自動車製造業に限らず、オーストラリアは従業員組合の力が非常に強く、従業員の労働条件や給与条件、権利などの待遇改善を要求し続けたことで、経営圧迫に繋がり、結果的にオーストラリアで製造を継続していくことが困難となり、3社あった自動車製造メーカーは2014年に全て撤退。それに伴い、部品を供給していた会社も豪州からの撤退や事業転換を余儀なくされました。こうして、オーストラリアから自動車製造産業という一つの業界が消滅しました。
A.自動車業界がなくなった影響でメルボルンだけでも約2万人(オーストラリア全体では6万人とも言われています)の人が職を失うことになりました。もちろん、1~2年以上の前から会社での製造が終了するというのは分かっていましたので、従業員の失業に伴う転職に備えて、各会社の人事担当者が転職講座や新しいスキル習得のトレーニングを提供し、転職サポートを実施していました。そういった成果もあり、機械や電気系で活躍していたエンジニアなどはIT業界に転職したり、組み立てを担当していた工場ワーカーは業界を変えて福祉関係の仕事や、長距離トラックなどのドライバーさんになるなど、業界を超えて人材が移動しました。事務職に従事していた方は、他業界で同じような事務職に就く方も多かったです。
一方で、自動車業界にこだわる技術者や工場の管理をしていた人だと、例えばタイやアメリカなど、自動車の製造国への国外転職も数多く見られました。
A.今は、そういう意味では銀行がいいサンプルとなっていますね。かつては多数あった支店が今、急速に減ってきています。例えば、オーストラリアでは2017年から2023年の6年間で2,000店舗以上の銀行支店が閉鎖しています。日本も含めてかもしれませんが、特にデジタル化が進むオーストラリアでは、送金や支払いなどは全てオンラインで簡単に済ませること出来ますので、日常生活でもカードも持ち歩かず、携帯ひとつで外出する人も増えているんじゃないでしょうか。
こういった時代の変化から、銀行窓口で働いている人とか銀行のバックオフィスで働いている人たちがデジタルに置き換わり、転職に動いている人が増えています。
もう一つの分かりやすい例は空港でのカウンター業務です。こちらも過去10年で急激に人からデジタルに切り替わりました。(会社の受付業務なども同様です)
銀行の窓口業務や空港のカウンター、会社の受付業務などに共通しているのは、決められたルールに基づき、人が対応していたというタイプの業務ですが、こういったタイプの業務は特にオーストラリアのような賃金の高い国では加速度的にポジションがデジタル化されていくことは確定的です。
「部署や支店、担当している仕事がなくなります」という時は、会社がリダンダンシーパッケージ※1を出すのですが、パッと見は大きいものの、実はそれほど大きな金額ではないんです。国の規定(Fair Work)としては、勤務年数に応じて金額に幅がありますが、勤務年数が3~4年で7週分、9~10年で16週分と決められています。(10年を超えると12週分となります)
これらに加えて、あとは勤務していた会社単位でどれぐらい上積みしてくれるかですが、国のルールとしては1~4ヶ月分の給与は出すから、その間に就職を決めて下さい、という程度の金額しかカバーしてくれませんので、実は結構大変なんです。
リダンダンシーパッケージ※1 :Redundancyによる解雇に際して、会社が従業員に対して支払うパッケージのことで、金額は勤続年数によって異なります。
リダンダンシーによる解雇とは…
「整理解雇」と呼ばれるリストラです。従業員の仕事の能力を理由とした解雇ではなく、雇用主である会社の運営上の理由により、当該従業員のポジションそれ自体が必要無くなった時にとられる解雇形態です。
最後に…
日本人はモノづくりをはじめ、世界的にも極めて質の高い仕事をしますが、平均給与が経済協力開発機構(OECD)加盟国38カ国のうち25位と中低位の位置付けにあります。その為、従来の日本のビジネスモデルはコストパフォーマンスの観点では非常に優れていると言えました。
一方でこの3−5年で目まぐるしく物価が上がり、更には日本では給与が上がらなかった過去20−30年で世界の給与水準上昇は日本をあっという間に追い越し、今ではオーストラリアでも日本の2−3倍もの水準になっています。この劇的な変化に伴い、低賃金で高品質を提供できるという従来型の日本式ビジネスモデルは「人材確保」という面から、世界的に極めて困難になってきています。
オーストラリアでも数多くの日系企業が日本式ビジネスモデルで事業を経営してきていましたが、現在は生き残りと更なる事業展開の為にも、大きな変革の時を迎えていると言って良さそうです。
参考:
(No date) Notice of termination & redundancy pay fact sheet. Available at: https://www.fairwork.gov.au/sites/default/files/migration/723/Notice-of-termination-and-redundancy-pay.pdf (Accessed: 19 March 2024).
Earnings and wages – average wages – OECD data (no date) theOECD. Available at: https://data.oecd.org/earnwage/average-wages.htm (Accessed: 19 March 2024).
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