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27.May.2025

【インタビュー】起業初年度は収入ゼロ。独立を選んで得た「自由」と「責任」|シドニー在住・上條さん【オーストラリア就職#35】

今回は、オーストラリア・シドニーで留学エージェントを経営している上條さんにお話を伺いました。

上條さんは元々教育業界に勤務しており、会社の買収や方向性のズレから独立を決意。起業後の1年間は収入ゼロで苦労も多かったが、時間の自由がきく働き方に大きな魅力を感じていると語ります。日本とオーストラリアの起業手続きの違いや、家族との時間を大切にできるライフスタイルの変化など、リアルな起業ストーリーが語られています。

留学エージェントだから知る「学生ビザ」却下の真相もお伝えします。

動画はこちら▼

  • 起業のきっかけ
  • 開業資金は?
  • 10年間で大変だったこと
  • オーストラリアと日本の起業プロセスの違い
  • 起業のメリット・デメリット
  • 会社員に戻りたい瞬間は?

起業のきっかけは「価値観のズレ」

楠本:上條さんは、以前シドニーの留学/人材会社に勤務されていましたが、会社の買収をきっかけに退職されていますよね。実は僕(楠本)と上條さんはそれぞれ独立する前に勤めていた会社の同期なんです。

上條:そうですね。会社が買収されて、社員を解雇しなければいけない時に、社員にどんどん「クビ」を宣告する役割を任されたんです。最初はしょうがないかと思っていたんですが、次第に「これ、ちょっとやり方が違うよな」と思って、会社の買収に伴う方向性の違いで、会社を辞めることにしました。

楠本:その際に、独立ではなく転職も検討されました?

上條:考えました。ただ、専門が「進学に特化した留学」だったので、当時はほとんどなかったんです。なので、やってきた経験を活かせるような会社も多くなく、幸いにも「自分でできるのでは?」と思いました。また、家族の都合もあり、シドニーを離れる選択肢は難しかったので、独立を決めました。

最初の1年は「収入ゼロ」、各種改定やコロナも大打撃

上條:人材業のように人材が決まるとすぐに収入を得られるモデルとは違って、留学エージェントは、実際に学生が入学したら学校からコミッションをもらえる仕組みになっています。オーストラリアの大学に正規留学をする場合は、相談があってから実際に渡豪して入学するまで半年から1年かかります。なので、起業して1年間は収入がほぼありませんでした。

出張に行っても、カピセルホテルで1週間を過ごしたり。すごく大変でした。

楠本:その後は割と順調だったようですが、数年前のコロナは「留学」にとって大ダメージでしたよね。

上條:はい。大ダメージです!うちのスタッフを解雇するわけにはいけないですから、幸いにも、オンラインでもすぐに始めたいという学生が割と多かったのは助かりました。ただ、自分自身の分の収入は得られなかったのでバスの消毒をする仕事をしてなんとか持ち堪えました。精神面は鍛えられましたよ。笑

楠本:あれは想定外ですよね。ちなみに学生ビザなどは頻繁にルールが変わりますけど、その辺は留学エージェントとして影響を受けるものですか?

上條:今もちょうど「学生ビザ却下」がホットな話題ですけど、実は結構不明瞭な部分が多くてわからないんです。実は、大学の学校レベルに応じてビザが通りやすいケースもあるんですが、人数制限に達してもプロセスが遅くなるだけで、ビザ自体は発行されることもあったり。この辺は、よくわからないんです。

日本よりオーストラリアの方が「起業プロセスが簡単」

楠本:上條さんは日本でも法人設立を経験されていますが、手続きの面や経営においての両者の違いはあるのでしょうか?

上條:日本は正直びっくりしました。日本はとにかく全てハードコピーと印鑑。オーストラリアにいたので、原本を郵送してもらわないと手続きが進まなかったんです。印鑑も社印や銀行印など、間違っちゃうとやり直しなんです。オーストラリアでの起業と比べて、手続きがアナログで、「あれ、今、2025年?」と錯覚してしまう程でした。こっちでデジタルのプロセスを経験してしまったので、余計にそう感じたかもしれませんね。

税金面の管理に関しても、オーストラリアは本当にシンプルで、所得税とスーパーアニュエーションのみ。これに対して、日本は本当に細かく税金がわかれていて、そういう面で複雑です。

起業の良さは家族と仕事の両立、働き方の自由さ

楠本:サラリーマンを経験されてから独立されてますが、どうですか?

上條:まずは、当たり前ですけど全て自分の責任になりますよね。

楠本:それが故にやるのもやらないのも自分に返ってきますもんね。

上條:ただ、時間はだいぶフレキシブルに使えるようになりました。息子の行事は一回も逃したことがありません。学校で有名でした。誰も親御さんがいない水泳大会も「あいつだけはいる」と。笑

時間がある程度自由に使えるのは、大きな魅力です。

楠本:逆に会社員に戻りたい瞬間はありますか?

上條:いや、語弊はありますが、ある意味与えられたことをやっておけばいいというのは極たまに羨ましくなることがありますね。ただ、会社員には戻りたくないです。

楠本:僕も、もう戻れない体になっていると思います。

未来の起業家へ

楠本:実はCareer Meisterにも起業したいという問い合わせがあるんです。未来の起業家へ向けてメッセージをお願いします。

上條:四六時中が仕事になります。仕事以外でクリアにしないといけないビザなどの条件もありますが、できるのであれば絶対にチャレンジしてほしいですね。可能なら、自分の興味のある分野で起業することをお勧めします。


何かを始めることに不安を感じている方にとって、ヒントになる話が詰まっているかもしれません。


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Category: オーストラリア就職(YouTube)

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